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循環型社会形成推進交付金事業において、交付対象事業費に交付の対象とならない設備等の整備等に要した費用を含めていたり、現場管理費等の算定が適切でなかったため交付金が過大に交付されていたりしていたもの[4道県](165)―(168)


(4件 不当と認める国庫補助金 54,352,000円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(165)
北海道
川上郡標茶町
循環型社会形成推進交付金
27~29 2,218,957
(1,919,500)
639,939 43,760
(43,760)
14,586
(166)
徳島県
美馬環境整備組合
24~28 3,680,285
(3,620,726)
1,206,908 40,447
(40,447)
13,482
(167)
鹿児島県
いちき串木野市
26~29 2,739,980
(2,196,444)
732,148 51,765
(51,765)
17,255
(168)
沖縄県
国頭地区行政事務組合
26~28 2,395,980
(2,143,422)
1,071,711 18,057
(18,057)
9,029
(165)―(168)の計 11,035,202
(9,880,092)
3,650,706 154,029
(154,029)
54,352

これらの交付金事業は、4事業主体が、循環型社会形成の推進に必要な廃棄物処理施設の整備を実施したものである。

循環型社会形成推進交付金交付取扱要領(平成17年4月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知。以下「取扱要領」という。)によれば、最終処分場等を整備する事業において交付金の交付対象となるのは、廃棄物の処理に直接必要な設備等とされている。そして、交付対象事業費の範囲は、交付対象設備等に係る本工事費、付帯工事費等から構成される工事費及び事務費とされており、このうちの本工事費の算定に当たっては、材料費、労務費及び直接経費から構成される直接工事費に、共通仮設費及び現場管理費から構成される間接工事費と、一般管理費等を加えて算定することとされている。このうち現場管理費は、工場において生産されるプレキャストコンクリート製のU型水路等の調達額(以下「特殊製品費」という。)が直接工事費に含まれている場合には、当該特殊製品費の2分の1に相当する額を直接工事費及び共通仮設費の合計額である純工事費から減額した上で、取扱要領に定められた所定の率をこれに乗じて得た額の範囲内とされている。また、事務費は、事業施工のために直接必要な事務に要する費用である旅費及び施工監理業務に係る委託料、需用費等の庁費であり、工事費に所定の率を乗じて得た額の範囲内とされている。

しかし、交付対象事業費の算定に当たり、4事業主体は、廃棄物の処理に直接必要な設備等に該当せず交付の対象とならない構内道路等の整備等に要した費用を交付対象事業費に含めていた。また、本工事費のうち現場管理費について、3事業主体(標茶町、いちき串木野市及び国頭地区行政事務組合)において純工事費から特殊製品費の2分の1に相当する額を減額していなかったり、1事業主体(いちき串木野市)において取扱要領に定められた所定の率と異なる高い率を用いて算出したりしていた。さらに、事務費については、1事業主体(標茶町)において計上すべき施工監理業務に係る委託料を工事費に含めていたため、改めて当該委託料を事務費に計上すると、工事費に所定の率を乗じて得た額を超えることとなっていた。

したがって、構内道路等の整備等に要した費用を交付対象事業費から除くとともに、取扱要領に基づいて現場管理費を算出し、施工監理業務に係る委託料を事務費に計上するなどして適正な交付対象事業費を算定すると9,726,063,000円となることから、本件交付対象事業費9,880,092,000円は、これに比べて154,029,000円過大となっており、これに係る交付金相当額54,352,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、4事業主体において交付対象事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、4道県において本件交付金事業の実績報告書の審査及び4事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

事例

いちき串木野市は、一般廃棄物最終処分場を整備する事業として、いちき串木野市川上地内において、用地の造成及び施設の整備を行う工事等を事業費2,739,980,000円(交付対象事業費2,196,444,000円、交付金交付額732,148,000円)で実施していた。

しかし、同市は、交付対象事業費の算定に当たり、廃棄物の処理に直接必要な設備等に該当しない構内道路等の整備等に要した費用12,536,908円を交付対象事業費に含めていた。また、本工事費のうち現場管理費について、純工事費から特殊製品費の2分の1に相当する額42,137,909円を減額していなかったり、取扱要領に定められた所定の率(7.5%)と異なる高い率(21.45%)を用いて算出したりしていた。

したがって、上記構内道路等の整備等に要した費用を交付対象事業費から除くとともに、取扱要領に基づいて現場管理費を算出するなどして適正な交付対象事業費を算定すると2,144,679,000円となることから、本件交付対象事業費2,196,444,000円は、これに比べて51,765,000円過大となっており、これに係る交付金相当額17,255,000円が過大に交付されていた。