本院は、独立行政法人国立病院機構本部(以下「機構本部」という。)及び同機構四国こどもとおとなの医療センター(以下「センター」という。)における不正行為について、会計検査院法第27条の規定に基づく同機構理事長からの報告を受けるとともに、機構本部において、合規性等の観点から不正行為の内容がどのようなものであるかなどに着眼して会計実地検査を行った。
上記の不正行為により損害が生じたものが2件、損害額で計3,539,786円あり、いずれも不当と認められる。
この2件を損害の補塡が終わっていないものと損害額の全てが補塡済みとなっているものとに分けて示すと、次のとおりである。
ア 令和2年9月末現在で損害の補塡が終わっていないもの
部局等 |
不正行為期間 |
損害額 |
|
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年月 |
円 |
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(178) | 独立行政法人国立病院機構四国こどもとおとなの医療センター |
30. 1から 30.10まで |
1,735,871 |
本件は、センターにおいて、看護部の非常勤職員であった森某が、同部で使用する消耗品の受取作業に従事中、平成30年1月から10月までの間に、センター内の倉庫に保管中の消耗品のうちプリンター用トナーカートリッジ等計307点(購入価格相当額1,735,871円)を領得したものであり、不当と認められる。
なお、本件損害額については、令和2年9月末現在で387,914円が同人から返納されるなどしている。
イ 令和2年9月末現在で損害額の全てが補?済みとなっているもの
(179) | 独立行政法人国立病院機構本部 |
平成30. 6から 令和 2. 3まで |
1,803,915 |
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本件は、機構本部において、会計係員が、現金等の出納、物品の購入に関する事務等に従事中、平成30年6月から令和2年3月までの間に、金庫に格納していた銀行印を無断で使用して機構本部の銀行口座から現金を引き出したり、卒業証明書等の受取手数料等を機構本部の銀行口座に入金しなかったりなどして現金等計1,628,367円、また、購入伺いの決裁を経ずに自ら調達し納入後に持ち出すなどしてビジネスプロジェクター等計8点(購入価格相当額計175,548円)、合計1,803,915円を領得したものであり、不当と認められる。
なお、本件損害額については、2年6月に全額が同人から返納されている。
(178)(179)の計 | 3,539,786 |
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