会計検査院の検査を必要とするものは、会計検査院法第22条の規定により、次のとおりとされている。
このほか、会計検査院は、必要と認めるとき又は内閣の請求があるときは、会計検査院法第23条第1項の規定により、次に掲げる会計経理の検査をすることができることとされている。
令和3年次の検査(検査実施期間 2年10月から3年9月まで)において検査の対象となったもののうち、⑤は政府関係機関、事業団、独立行政法人等211法人の会計、⑥は日本放送協会の会計、⑨は6,024の団体等の会計、⑩は8法人の会計、⑪は15法人の会計、⑫は3法人の会計、⑬は160法人等の契約に関する会計である。
上記検査の対象のうち主なものの令和2年度決算等の概要は、第6章の「歳入歳出決算その他検査対象の概要」に記載したとおりである。
検査対象機関に対する検査の方法は、在庁検査と実地検査に区分される。
在庁検査は、次のような方法等により、在庁して常時行う検査である。
(注) 会計検査院は、令和2年度分の計算書12万5千余冊を受領するとともに、それらの証拠書類等として、紙媒体3741万余枚を受領したほか、電子情報処理組織の使用又は電磁的記録媒体により受領している。
また、実地検査は、検査対象機関である省庁等の官署、事務所、国が補助金その他の財政援助を与えた団体等に職員を派遣して、実地に、関係帳簿や事務・事業の実態を調査したり、関係者から説明を聴取したりなどして行う検査である。
会計検査院が3年次に省庁等の官署、事務所等において実施した実地検査の実施率を検査上の重要性に応じて区分してみると、次のとおり、①本省、本社等の中央機関、地方ブロックごとに設置されている主要な地方出先機関等の検査上重要な箇所4,468か所についての実施率は18.5%、②地方出先機関等であって検査上の重要性が①に準ずる箇所6,635か所についての実施率は4.7%となっており、これらを合わせた計11,103か所についての実施率は10.2%となっている。
区分 |
左の箇所数 |
左のうち実地検査を実施した箇所数 | 実地検査実施率(%) |
---|---|---|---|
(A) |
(B) |
(B/A) |
|
① 検査上重要な箇所(本省、本社、主要な地方出先機関等) |
4,468 | 828 | 18.5 |
② 上記の①に準ずる箇所(その他の地方出先機関等) |
6,635 | 313 | 4.7 |
計 | 11,103 | 1,141 | 10.2 |
(注) ①及び②以外の箇所(郵便局、駅等)は20,409か所のうち17か所において実地検査を実施しており、これらを含めた実施率は3.6%となっている。
上記のほか、国が補助金その他の財政援助を与えた1,969の団体等について実地検査を実施した。
なお、2年次に引き続き、3年次の実地検査は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止への対応等として、同感染症による検査対象機関への影響等に配慮しつつ、検査対象機関等を一部に限定するなどして実施し、3年1月以降、新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)に基づく新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が東京都を含む区域に発出されていた期間(3年1月8日から3月21日まで、4月25日から6月20日まで及び7月12日から9月30日まで)は、これを全て中止した。
そして、これらの実地検査に要した人日数は、1万余人日となっている。
また、検査の進行に伴い、疑義のある事態について、疑問点をただしたり見解を求めたりなどするために、関係者に対して書面をもって質問を発しており、3年次の検査において発した質問は5百余事項となっている。