(1件 不当と認める国庫補助金 1,278,161円)
部局等
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補助事業者等
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間接補助事業者等
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補助事業等
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年度
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事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額
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不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(92) |
林野庁
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鳥取県
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鳥取県中部森林組合
(事業主体)
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森林環境保全整備
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30 | 4,260 (4,260) |
1,278 | 4,260 (4,260) |
1,278 |
この補助事業は、鳥取県中部森林組合(鳥取県倉吉市所在。以下「組合」という。)が、東伯郡琴浦町において、森林の有する多面的機能の維持・増進を図るなどのために森林の整備として、間伐及びこれと一体となった森林作業道整備を実施したものである。
森林環境保全整備事業実施要領(平成14年13林整整第885号林野庁長官通知)等によれば、森林環境保全整備事業(以下「整備事業」という。)の対象となる間伐は、森林所有者等が市町村の長等の認定を受けた森林経営計画に基づいて行うこと、間伐の施行地の面積の合計が、補助金の交付申請ごと、かつ、森林経営計画ごとに5ha以上であることなどの要件を満たすものとされている。また、上記の要件については、特例として、現に認定を受けている森林経営計画(以下「現計画」という。)において森林経営計画の継続性があることが確認できる場合は、現計画と旧森林経営計画(以下「旧計画」という。)の両計画に計画され、かつ、両計画の計画期間にまたがって行われた間伐の施行地については、当該施行地の面積の全てを現計画に基づくものとして取り扱うことができることとされている。そして、整備事業の対象となる森林作業道整備は、整備事業の対象となる間伐と一体的に実施することなどとされていることから、当該間伐が上記の要件を満たさない場合は整備事業の対象としないことになっている。
組合は、琴浦町長の認定を受けた森林経営計画に基づき、平成29、30両年度に施行地の面積計5.13haの間伐を実施したとして、また、29年度に当該間伐と一体的に延長63ⅿの森林作業道整備を実施したとして、30年度に、これらをまとめて鳥取県に整備事業に係る補助金の交付申請書を提出し、事業費計4,260,537円に対して、国庫補助金計1,278,161円の交付を受けていた。そして、上記5.13haの間伐の施行地は、1.70haの施行地と3.43haの施行地からなっていた。このうち、1.70haの施行地における間伐は、計画期間が30年3月28日から令和5年3月27日までとする現計画に基づくものであり、3.43haの施行地における間伐は、計画期間が平成25年3月28日から30年3月27日までとする旧計画に基づくものであった。そのため、組合は、現計画と旧計画は計画期間が連続していることから、両計画には継続性が認められ上記の特例に該当するとして、3.43haにおける間伐についても現計画に基づくものとして取り扱うことができると認識して上記の交付申請等を行っていた。
しかし、3.43haの施行地における間伐は、旧計画に基づき29年12月から30年2月までの間に実施したものであるのに対して、1.70haの施行地における間伐は、現計画に基づき30年4月に実施したものであった。すなわち、上記両計画の計画期間は連続しているものの、3.43haの施行地の間伐は、現計画において計画されておらず、上記のように旧計画の計画期間内に完了していて、両計画の計画期間にまたがって実施されてはいないことから、その面積を現計画に基づくものとして取り扱うことはできないものであった。この結果、いずれの施行地における間伐についても、その面積の合計が森林経営計画ごとに5ha以上という要件を満たしていなかった。そして、上記3.43haの間伐と一体的に実施した延長63ⅿの森林作業道整備については、当該間伐が要件を満たしていないことから、整備事業の対象とならないものとなっていた。
したがって、本件整備事業は、補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金1,278,161円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、組合において補助対象要件についての理解が十分でなかったこと、同県において組合に対する指導監督及び交付申請書等の検査が十分でなかったことなどによると認められる。