(1件 不当と認める国庫補助金 1,971,701 円)
部局等
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補助事業者等
(事業主体) |
補助事業等
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年度
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事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額
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不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(112) |
岡山県
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玉野市
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防災・安全交付金
(暮らし
・にぎわい再生) |
28 | 438,480 (396,157) |
132,052 | 6,491 (5,915) |
1,971 |
この交付金事業は、玉野市が、市立図書館及び中央公民館(以下、これらを合わせて「図書館等」という。)の建物が老朽化したことから、玉野市宇野一丁目地内の既存の商業施設(地上4階建て)に図書館等を移転するために、当該商業施設の2階の一部を同市の指定避難所として指定することを前提として図書館等に改修するとともに、図書館等内に電気を供給するための分電盤等の設備機器7面を新たに設置し、これらをそれぞれアンカーボルトで床面等に固定する工事等を実施したものである。そして、同市は、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)に基づき、災害発生時に被災者の受入れ等を行うために、図書館等を、その開館日である平成29年4月1日付けで、指定避難所として指定し、これを公示している。
同市は、本件工事における分電盤等の設備機器の耐震設計計算について、「建築設備耐震設計・施工指針2005年版」(国土交通省国土技術政策総合研究所・独立行政法人建築研究所監修。以下「指針」という。)等に基づいて行うこととしている。指針等によれば、設備機器を固定するアンカーボルトの設計に当たっては、地震時に作用する引抜力(注)が許容引抜力(注)を上回らないようにすることとされており、設備機器を設置する施設の種類、設備機器の重要度等に応じて分類されている耐震クラスS、A又はBの中から適切な耐震クラスを適用し、設備機器を設置する施設の階数に応じて耐震クラスごとに定められている設計用標準震度を用いるなどして引抜力を算出することとされている。
同市は、本件工事の請負人に耐震設計計算等を行わせることとしていたが、特記仕様書において、分電盤等を設置する施設の種類について記載していなかった。そして、請負人は、耐震クラスAを適用することとし、このクラスの設計用標準震度1.0などを用いて分電盤等を固定するアンカーボルトの耐震設計計算を行い、その結果、地震時にアンカーボルトに作用する引抜力はいずれも許容引抜力を上回らないため、耐震設計計算上安全であるとして、作成した耐震設計計算書、施工図等を同市へ提出していた。そして、同市は、これらを審査するなどした上で承諾し、これらにより請負人に施工させていた。
しかし、防災拠点となる避難所の施設等において、本件分電盤等のような防災拠点としての機能の確保を図るために重要な設備機器を設置する場合には、指針等に基づき、設備機器を固定するアンカーボルトの耐震設計計算に当たり耐震クラスSを適用してこのクラスの設計用標準震度1.5などを用いる必要があった。
そこで、指針等に基づき、設計用標準震度1.5などを用いて改めて耐震設計計算を行ったところ、分電盤等7面のうち2面のそれぞれの面を固定しているアンカーボルト(径12mm、1面当たり6本又は4本)は、地震時に作用する引抜力が8.22kN/本又は8.67kN/本となり、許容引抜力6.70kN/本を大幅に上回っていて、耐震設計計算上安全とされる範囲に収まっていなかった。
したがって、上記の分電盤等2面(工事費相当額6,491,580円)は、アンカーボルトの設計が適切でなかったため、地震時における所要の安全度が確保されていない状態になっていて、これに係る交付金相当額1,971,701円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、特記仕様書の作成が適切でなかったこと、請負人が提出した耐震設計計算書に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。