(1件 不当と認める国庫補助金 1,280,775円)
部局等 |
補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 |
年度 |
事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額 |
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(113) | 広島県 |
広島県 |
防災・安全交付金(道路) |
平成30、令和元 |
95,191 (88,092) |
47,142 | 2,393 (2,393) |
1,280 |
この交付金事業は、広島県が、尾道市因島三庄地内等において、県道西浦三庄田熊線等の防災対策として、落石防護柵を設置するなどの工事を実施したものである。このうち、県道西浦三庄田熊線の落石防護柵は、既設の重力式コンクリート擁壁(高さ2.0m、天端幅0.5m)の上部に設置されていた既設の落石防護柵(延長45.0m、高さ1.5m)を更新したものであり、延長45.0mにわたり、高さ1.5mの支柱を2.25m又は3.0m間隔で設置し、各支柱間にワイヤロープ及び金網を取り付けた構造となっている。
同県は、落石防護柵の設計を「落石対策便覧」(公益社団法人日本道路協会編。以下「便覧」という。)に基づき行うこととしている。
便覧によれば、落石防護柵の必要な高さは、想定する落石の跳躍高等によって決定され、落石の跳躍高は一般的に斜面から直角に測った高さ2.0m以下であるといわれていることから、斜面から直角に測った高さが2.0mとなるよう最低柵高を設定することとされている。さらに、落石防護柵の背面に平場がある場合、平場の幅が狭いほど落石が落石防護柵に衝突する高さが高くなるなど、その幅によって落石が落石防護柵に衝突する高さが変わることから、平場の幅を考慮するなどして最低柵高を設定することとされている。
しかし、同県は、本件落石防護柵の設計に当たり、既設の落石防護柵の高さが1.5mであったことから、最低柵高を設定しないまま、本件落石防護柵の高さを全延長45.0mにわたって一律に1.5mとして設計し、これにより施工していた。
そこで、便覧に基づき、現地における平場の幅等を考慮して、本件落石防護柵の最低柵高を支柱間ごとに算出すると、全延長45.0mのうち延長37.5mの区間において1.73m(平場の幅0.9m)から2.41m(同0.55m)となり、本件落石防護柵の高さは0.23mから0.91m不足することとなっていた(参考図参照)。
したがって、本件落石防護柵のうち延長37.5m(工事費相当額2,393,323円)は、設計が適切でなかったため、落石を防ぐための所要の高さが確保されていない状態となっていて、工事の目的を達しておらず、これに係る交付金相当額1,280,775円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのに、これに対する検査が十分でなかったことなどによると認められる。
(参考図)
落石防護柵等の概念図(柵高が不足している箇所の状況)