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循環型社会形成推進交付金事業等において、交付対象事業費に交付の対象とならない設備等の整備等に要した費用を含めていたり、現場管理費等の算定が適切でなかったため交付金が過大に交付されていたりしていたもの[石川県](127)―(130)


(4件 不当と認める国庫補助金 300,143,000円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(127)
石川県
金沢市
循環型社会形成推進交付金
平成21
~令和2
8,225,059
(8,000,255)
2,750,762 809,969
(809,969)
269,987
(128)
二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金等
26~29 1,287,005
(457,236)
208,099 36,226
(36,226)
16,425
(129)
羽咋郡市広域圏事務組合
循環型社会形成推進交付金
26~28 1,855,742
(1,571,473)
523,824 24,597
(24,597)
8,199
(130)
白山野々市広域事務組合
27~30 2,196,612
(1,949,724)
649,908 16,594
(16,594)
5,532
(127)-(130)の計 13,564,418
(11,978,688)
4,132,593 887,386
(887,386)
300,143

これらの交付金事業は、3事業主体が、循環型社会形成の推進に必要な廃棄物処理施設の整備等を実施したものである。

循環型社会形成推進交付金交付取扱要領(平成17年4月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知)及び二酸化炭素排出抑制対策事業費交付金(先進的設備導入推進事業)交付取扱要領(平成27年4月環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長通知。以下、これらを合わせて「取扱要領」という。)によれば、最終処分場等を整備する事業やごみ焼却施設の長寿命化のための基幹的設備改良事業において交付金の交付対象となるのは、廃棄物の処理に直接必要な設備等とされている。そして、交付対象事業費の範囲は、交付対象設備等に係る本工事費、付帯工事費等から構成される工事費及び事務費とされており、このうちの本工事費の算定に当たっては、材料費、労務費及び直接経費から構成される直接工事費に、共通仮設費及び現場管理費から構成される間接工事費と、一般管理費等を加えて算定することとされている。このうち現場管理費は、合成樹脂製品等のように、工場において生産されて完成された製品として設置することにより効用を発揮するものの調達額(以下「特殊製品費」という。)が直接工事費に含まれている場合には、当該特殊製品費の2分の1に相当する額を直接工事費及び共通仮設費の合計額である純工事費から減額した上で、取扱要領に定められた所定の率をこれに乗じて得た額の範囲内とすることなどとされている。

しかし、交付対象事業費の算定に当たり、3事業主体は、廃棄物の処理に直接必要な設備等に該当せず交付の対象とならない構内道路等の整備等に要した費用を交付対象事業費に含めていた。また、2事業主体(金沢市及び白山野々市広域事務組合)は、本工事費のうち現場管理費等について、純工事費から特殊製品費の2分の1に相当する額を減額していなかったり、取扱要領に定められた所定の率と異なる高い率を用いて算出したりしていた。

したがって、構内道路等の整備等に要した費用を交付対象事業費から除くとともに、取扱要領に基づいて現場管理費を算出するなどして適正な交付対象事業費を算定すると11,091,302,000円となることから、本件交付対象事業費11,978,688,000円は、これに比べて887,386,000円過大となっており、これに係る交付金相当額300,143,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、3事業主体において交付対象事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、石川県において本件交付金事業の実績報告書の審査及び3事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

事例

金沢市は、循環型社会形成推進交付金事業として、一般廃棄物最終処分場を拡張して整備するため、金沢市戸室新保地内において、用地の造成及び施設の整備を行う工事等計51工事等を事業費計8,225,059,033円(交付対象事業費計8,000,255,000円、交付金交付額計2,750,762,000円)で実施していた。

しかし、同市は、交付対象事業費の算定に当たり、4工事において廃棄物の処理に直接必要な設備等に該当しない構内道路等の整備に要した費用計35,276,230円を交付対象事業費に含めていた。また、42工事において本工事費のうち現場管理費について、純工事費から特殊製品費(合成樹脂製品である高密度ポリエチレン管等の調達額)の2分の1に相当する額計819,120,792円を減額していなかったり、取扱要領に定められた所定の率(7.5%等)と異なる高い率(21.03%等)を用いて算出したりしていた。

したがって、上記構内道路等の整備に要した費用を交付対象事業費から除くとともに、取扱要領に基づいて現場管理費を算出するなどして適正な交付対象事業費を算定すると計7,190,286,000円となることから、本件交付対象事業費8,000,255,000円は、これに比べて計809,969,000円過大となっており、これに係る交付金相当額計269,987,000円が過大に交付されていた。