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  • 令和2年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第2節 歳入歳出決算等検査対象別の概要|
  • 第7 政府関係機関及びその他の団体|
  • 2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人の決算|
  • [1] 政府関係機関の収入支出決算

2 株式会社日本政策金融公庫


(2) 株式会社日本政策金融公庫

この会社は、一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、国民一般、中小企業者及び農林水産業者の資金調達を支援するための金融の機能を担うとともに、内外の金融秩序の混乱又は大規模な災害、テロリズム若しくは感染症等による被害に対処するために必要な金融を行うほか、当該必要な金融が銀行その他の金融機関により迅速かつ円滑に行われることを可能とし、もって国民生活の向上に寄与することを目的として設立されたものである。その資本金は、2年度末現在で6兆9902億0170万円となっている。

同会社の会計は、国民一般向け業務、農林水産業者向け業務、中小企業者向け融資・証券化支援保証業務、中小企業者向け証券化支援買取業務、信用保険等業務、危機対応円滑化業務及び特定事業等促進円滑化業務の7勘定に区分して経理されている。

同会社の勘定別の2年度の収入支出決算、損益、借入金等及び主な業務実績は次のとおりである。

ア 国民一般向け業務(国民一般向け業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入
収入済額(千円)  
2年度 136,283,076
元年度 138,479,653
支出
支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
2年度 134,625,558 77,361,963 57,263,594
元年度 88,610,402 73,152,319 15,458,082

不用額の主なものは、支払利息(支出予算現額447億3074万余円)の410億6235万余円、業務諸費(同250億2658万余円)の51億0074万余円及び超過勤務手当(同80億8670万余円)の39億6181万余円である。

(イ) 損益

科目
2年度(千円) 元年度(千円)
経常収益 135,840,469 138,257,493
うち貸出金利息
114,308,652 112,610,393
経常費用 290,370,205 152,019,759
うち借用金利息
3,212,579 3,821,827
特別利益 49,884 98,318
特別損失 152,251 310,417
当期純損失 154,632,104 13,974,365
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 154,632,104 13,974,365
(繰越利益剰余金) (662,001,194) (507,369,089)

(ウ) 借入金等

区分
2年度末(千円) 元年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金等) 10,513,211,000 5,753,200,000
社債発行残高 680,311,130 650,416,476

(エ) 主な業務実績

 
区分
  2年度 (元年度)
貸付け
件数 958,966件 374,558件
  金額 9,164,025,823千円 2,146,393,990千円
貸出金回収等
(
うち貸出金償却
)
金額 3,477,164,294千円
(61,580,939千円)
2,123,223,742千円
(60,832,572千円)
年度末貸出金残高
件数 2,431,029件 2,066,487件
  金額 12,720,479,188千円 7,033,617,660千円
上記のうちリスク管理債権の状況
   
破綻先債権
4,192,742千円 4,944,358千円
延滞債権
116,297,759千円 104,517,097千円
3か月以上延滞債権
53,893千円 30,413千円
貸出条件緩和債権
389,568,801千円 414,525,662千円
510,113,196千円 524,017,531千円
  貸倒引当金 282,528,149千円 117,813,425千円
 

(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断して必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

イ 農林水産業者向け業務(農林水産業者向け業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入
収入済額(千円)  
2年度 54,459,857
元年度 44,603,748
支出
支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
2年度 47,153,166 35,795,976 11,357,189
元年度 44,682,130 37,246,554 7,435,575

不用額の主なものは、支払利息(支出予算現額267億4501万余円)の78億8792万余円及び業務委託費(同47億8963万余円)の13億7004万余円である。

(イ) 損益

科目
2年度(千円) 元年度(千円)
経常収益 49,931,530 43,287,700
うち貸出金利息
23,611,321 25,898,227
経常費用 49,905,661 43,239,459
うち借用金利息
15,673,515 17,445,217
特別利益 99
特別損失 25,868 48,842
当期純利益(当期純損失) 501
     
(損失金の処理)    
翌年度に利益準備金を取り崩して整理 501
(利益準備金) (2,642,210) (2,642,711)

(ウ) 借入金等

区分
2年度末(千円) 元年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金等) 2,812,074,977 2,487,046,115
社債発行残高 224,984,466 259,981,443

(エ) 主な業務実績

 
区分
  2年度 (元年度)
貸付け
件数 24,172件 14,838件
  金額 705,874,920千円 483,988,772千円
貸出金回収等
(
うち貸出金償却
)
金額 392,229,887千円
(2,893,019千円)
384,953,750千円
(2,369,219千円)
年度末貸出金残高
件数 168,241件 159,737件
  金額 3,416,516,497千円 3,102,871,464千円
上記のうちリスク管理債権の状況
   
破綻先債権
641,055千円 1,273,463千円
延滞債権
77,425,556千円 53,539,703千円
3か月以上延滞債権
320,358千円 720,708千円
貸出条件緩和債権
68,770,383千円 19,183,616千円
147,157,354千円 74,717,492千円
  貸倒引当金 22,486,066千円 14,785,163千円
 

(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断して必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

ウ 中小企業者向け業務(中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定、中小企業者向け証券化支援買取業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入
収入済額(千円)  
2年度 81,449,282
元年度 81,694,246
支出
支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
2年度 84,167,317 31,730,264 52,437,052
元年度 44,459,536 32,130,375 12,329,160

不用額の主なものは、支払利息(支出予算現額499億4025万余円)の448億3368万余円、業務諸費(同85億5304万余円)の18億3773万余円及び社債発行諸費(同16億3057万余円)の13億2610万余円である。

(イ) 損益

a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定

科目
2年度(千円) 元年度(千円)
経常収益 80,698,716 80,812,609
うち貸出金利息
65,095,635 64,921,604
経常費用 232,949,704 84,799,582
うち借用金利息
3,285,751 4,096,553
うち社債利息
1,120,042 1,572,823
特別利益 6,087
特別損失 94,070 64,680
当期純損失 152,345,057 4,045,566
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 152,345,057 4,045,566
(繰越利益剰余金) (461,963,170) (309,618,113)

b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定

科目
2年度(千円) 元年度(千円)
経常収益 724,675 682,075
うち有価証券利息配当金
231,527 225,079
経常費用 573,213 529,074
当期純利益 151,462 153,000
     
(利益金の処理)    
翌年度に利益準備金として積立て 75,731 76,500
翌年度に国庫へ納付 75,731 76,500
(利益準備金) (424,694) (348,194)

(ウ) 借入金等

a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定

区分
2年度末(千円) 元年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金等) 5,846,249,100 3,109,411,100
社債発行残高 499,049,312 470,077,449

b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定

区分
2年度末(千円) 元年度末(千円)
社債発行残高 21,000,000 30,000,000

(エ) 主な業務実績

a 中小企業者向け融資・証券化支援保証業務勘定

 
区分
  2年度 (元年度)
貸付け
件数 56,374件 19,645件
  金額 4,564,806,600千円 1,147,409,180千円
貸出金回収等
(
うち貸出金償却
)
金額 1,532,139,749千円
(23,578,452千円)
1,275,078,176千円
(25,810,465千円)
年度末貸出金等残高
件数 153,328件 127,361件
  金額 8,116,484,584千円 5,083,817,733千円
上記のうちリスク管理債権の状況
   
破綻先債権
3,817,666千円 2,943,792千円
延滞債権
681,051,684千円 451,356,596千円
3か月以上延滞債権
貸出条件緩和債権
109,933,789千円 71,802,229千円
794,803,140千円 526,102,619千円
  貸倒引当金 474,118,811千円 302,295,219千円
 

(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断して必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

b 中小企業者向け証券化支援買取業務勘定

 
区分
  2年度 (元年度)
貸付債権元本
件数 801件 1,807件
  金額 17,004,000千円 33,232,000千円

エ 信用保険等業務(信用保険等業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入
収入済額(千円)  
2年度 257,557,002
元年度 197,402,782
支出
支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
2年度 648,048,211 220,911,066 427,137,144
元年度 405,464,618 269,001,564 136,463,053

不用額の主なものは、保険金(支出予算現額6149億4608万余円)の4032億6221万余円及び保険費に係る賠償償還及払戻金(同274億4990万余円)の227億0669万余円である。

(イ) 損益

科目
2年度(千円) 元年度(千円)
経常収益 201,636,307 195,366,594
うち保険料
190,561,797 122,704,710
経常費用 920,455,547 197,756,140
うち保険金
211,683,865 261,285,244
うち回収金
65,056,822 71,944,593
うち保険契約準備金繰入額
763,687,277
当期純損失 718,819,239 2,389,545
     
(損失金の処理)    
翌年度に利益準備金を取り崩して整理 286,257,181 2,389,545
(利益準備金) (286,257,181) (288,646,727)
翌年度に資本準備金を取り崩して整理 432,562,058
(資本準備金) (3,503,984,022) (2,052,284,022)

(ウ) 主な業務実績

中小企業信用保険

 
区分
  2年度 (元年度)
保険関係成立
件数 1,856,543件 640,293件
  保険価額 33,210,644,536千円 8,324,339,940千円
保険金支払
件数 26,396件 35,342件
  金額 211,683,865千円 261,259,970千円
支払保険金等回収
金額 64,986,953千円 71,841,411千円

オ 危機対応円滑化業務(危機対応円滑化業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入
収入済額(千円)  
2年度 20,254,320
元年度 10,659,587
支出
支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
2年度 494,425,593 22,022,122 472,403,470
元年度 62,841,659 24,299,024 38,542,634

不用額の主なものは、補償金(支出予算現額2190億3465万余円)の2089億2779万余円、支払利息(同1961億1557万余円)の1895億4756万余円及び利子補給金(同546億7470万余円)の496億9287万余円である。

(イ) 損益

科目
2年度(千円) 元年度(千円)
経常収益 10,139,428 11,251,411
うち貸出金利息
6,576,635 8,078,081
経常費用 21,769,552 20,627,982
うち借用金利息
6,575,506 8,078,081
当期純損失 11,630,124 9,376,570
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 11,630,124 9,376,570
(繰越利益剰余金) (265,192,801) (253,562,677)

(ウ) 借入金等

区分
2年度末(千円) 元年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金) 4,420,649,380 1,327,740,000
社債発行残高 150,273,463

(エ) 主な業務実績

 
区分
  2年度 (元年度)
ツーステップ・ローン
貸付け等 3,549,472,380千円 35,000,000千円
貸出金回収
金額 306,563,000千円 522,572,000千円
年度末貸出金残高
金額 4,570,649,380千円 1,327,740,000千円
損害担保引受応諾額
貸付け等 2,283,361,767千円 940,738千円
補償金支払額
金額 10,106,859千円 13,098,823千円
支払補償金回収
金額 1,231,251千円 2,706,340千円
年度末貸出金残高のうちリスク管理債権の状況
   
破綻先債権
延滞債権
3か月以上延滞債権
貸出条件緩和債権
  貸倒引当金
 

(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断して必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。

カ 特定事業等促進円滑化業務(特定事業等促進円滑化業務勘定)

(ア) 収入支出決算

収入
収入済額(千円)  
2年度 237,174
元年度 293,504
支出
支出予算現額(千円) 支出済額(千円) 不用額(千円)
2年度 1,275,377 236,720 1,038,656
元年度 1,742,618 293,528 1,449,089

(イ) 損益

科目
2年度(千円) 元年度(千円)
経常収益 216,114 273,960
うち貸出金利息
140,961 198,831
経常費用 227,508 286,711
うち借用金利息
140,961 198,831
当期純損失 11,393 12,751
     
(損失金の処理)    
繰越利益剰余金として整理 11,393 12,751
(繰越利益剰余金) (89,349) (77,955)

(ウ) 借入金

区分
2年度末(千円) 元年度末(千円)
借入金残高(財政融資資金) 121,647,000 132,977,000

(エ) 主な業務実績

 
区分
  2年度 (元年度)
ツーステップ・ローン
貸付け 100,000,000千円
貸出金回収
金額 11,330,000千円 11,726,000千円
年度末貸出金残高
金額 121,647,000千円 132,977,000千円
上記のうちリスク管理債権の状況
破綻先債権
延滞債権
3か月以上延滞債権
貸出条件緩和債権
  貸倒引当金
 

(注) 貸倒引当金は、破綻先、実質破綻先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除した額を計上している。また、破綻懸念先の債務者に係る債権については、債権額から担保の処分可能見込額等を控除し、その残額のうち債務者の支払能力を総合的に判断して必要と認める額を計上している。上記以外の債務者に係る債権については、過去の一定期間における貸倒実績率等に基づき算出した額を計上している。