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  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 令和3年7月

外国人材の受入れに係る施策に関する会計検査の結果について


別図表1-14 総合的対応策等における外国人留学生に係る主な施策内容、実施状況等

項目 施策
番号
施策内容 実施状況
【総合的対応策】
2 生活者としての外国人に対する支援
(5)留学生の就職等の支援
71 大学が企業等と連携し、留学生が我が国での就職に必要なスキルである「ビジネス日本語」等を在学中から身に付ける教育プログラムを策定し、これを「留学生就職促進履修証明プログラム(仮称)」として文部科学省が認定し、留学生の国内企業等への就職につなげる仕組みを全国展開する。認定大学には、留学生の就職率についての達成目標の設定を求める一方で、奨学金の優先配分等の支援を検討する。スーパーグローバル大学創成支援事業の採択大学についても、同プログラムに原則として参加することとする。
また、優秀な留学生の掘り起こし、日本語指導、国内企業とのマッチング等、総合的な受入れモデルを構築する専修学校における取組を支援しているところ、これらの取組によって得られた教育プログラム等に関する成果を公表して広く情報共有する。
これらの取組により、大学・専修学校、企業、地方公共団体等の連携の下、留学生を国内企業への就職につなげる仕組みの構築を推進する。〔文部科学省〕
大学への支援については、文部科学省において、「留学生就職促進履修証明プログラム(仮称)」の制度設計について、検討の準備を開始するとともに、同制度で認定を受けた大学に対して奨学金を優先配分予定としている。
専修学校への支援については、専修学校の振興に資する法人格を有する団体に委託を行い、日本語教育支援や修学支援、留学生の在籍管理、卒業後の国内への定着支援等、専修学校に係る入口から出口までの総合的・戦略的な留学生施策の推進について、関係機関との連携によるモデル体制の構築を進めている。
72 各大学院、大学、専修学校等に対し、進路相談等の外国人留学生への就職支援を促すため、各学校に対して、留学生数及び留学生の就職率を開示・公表するよう要請するとともに、就職支援の取組や就職状況に応じて教育機関に対する奨学金の優先配分を行う。〔文部科学省〕 文部科学省は、大学等に対して、日本国内での就職を希望している外国人留学生に資するよう、卒業者(修了者)数、就職希望者数、就職者数、就職希望者数に対する就職率等を公表するよう依頼するなどしている。また、同省は、日本政府奨学金について、卒業後に日本国内で就職することを希望している外国人留学生を優先配分枠や要件に加えるなどのプログラムを令和元年度から実施している。さらに、JASSOは、外国人留学生を主な対象とした就職ガイダンス、外国人留学生に配慮した合同企業説明会等の全てを実施している大学等に対して平成30年度から学習奨励費を重点配分するために、新たに就職支援特別枠を設けている。
73 留学生の国内就職の促進のため、留学の在留資格から就労関係の在留資格変更手続の簡素化等を行うことを踏まえ、大学等の進路相談等において留学生の在留資格の変更に対する支援が効果的に行えるよう、法務省、文部科学省と大学等が定期的な研修会(意見交換)を行う。〔法務省、文部科学省〕 検査対象大学等において、令和元年度に、在留資格の変更等に関する研修会等を法務省及び文部科学省と実施しているかみたところ、7大学において実施しており、22大学等が他の大学等の主催する研修会等に参加していた。具体的な取組内容についてみたところ、大学等が外国人留学生の就職の支援を主題とした研修会を主催し、文部科学省の協力を得て、地方出入国在留管理局の担当官に在留資格の変更について説明を受けるとともに、質疑応答や意見交換を行うなどしていた。
76 外国人雇用サービスセンター及び一部のハローワークに設置している留学生コーナーを留学生に対する就職支援の拠点として位置付け、担当者制によるきめ細かな相談・支援を行うほか、インターンシップやセミナー、説明会の開催等により、留学生と企業とのマッチング支援を行うとともに、外国人雇用サービスセンター等の増設を含めた支援体制の強化等を図り、更なるマッチングの推進を図る。〔厚生労働省、経済産業省〕 厚生労働省は、外国人雇用サービスセンター及び留学生コーナーを増設し、未内定外国人留学生の把握等を行うほか、国内就職希望の外国人留学生に対して在籍の早い段階から就職ガイダンスを実施するなど、外国人留学生に対する就職支援の強化を図っている。
77 入学を志願する留学生向けの情報提供を促し、国内企業のニーズに応じた留学生の受入れを促進するため、海外において、関係機関との連携により、卒業後の我が国での就職等のキャリアパスをはじめとした日本留学の魅力について統合的な発信を図る。〔文部科学省〕 文部科学省は、「日本留学海外拠点連携推進事業」の実施に当たり、日本本部をJASSOに、6地域の各海外拠点を5大学に委託して行っている。 当該事業において、優秀な外国人留学生の国内就職促進に向けて国内企業のニーズに応じた外国人留学生の受入れを促進するために、大学等での教育研究、卒業後の我が国での就職等のキャリアパスを始めとした日本留学の魅力を統合的に発信する取組を行っている。
79 留学生が我が国で就職して活躍するための前提として、留学生が学業に専念し、高度な専門性・技術や日本語能力を身に付けて適正に課程を修了することができるよう、高等教育機関の質の確保と留学生の適正な管理が求められる。このため、関係機関と情報共有を図りつつ、各大学、高等専門学校、専修学校に対し、留学生の適切な受入れ及び学業成績や資格外活動の状況等の的確な把握や適切な指導等の在籍管理の徹底を求める。〔文部科学省〕 文部科学省は、大学等に対して、外国人留学生の適切な受入れ及び資格外活動の状況等の的確な把握等の在籍管理の徹底を求めるなどしている。
【総合的対応策(改訂)】
3 生活者としての外国人に対する支援
(5)留学生の就職等の支援
105 大学が企業等と連携し、留学生が我が国での就職に必要なスキルである「ビジネス日本語」等を在学中から身に付ける教育プログラムを策定し、これを「留学生就職促進履修証明プログラム(仮称)」として文部科学省が認定し、留学生の国内企業等への就職につなげる仕組みを全国展開する。認定大学には、留学生の就職率についての達成目標の設定を求める一方で、奨学金の優先配分等の支援を検討する。スーパーグローバル大学創成支援事業の採択大学についても、同プログラムに原則として参加することとする。
また、優秀な留学生の掘り起こし、日本語指導、国内企業とのマッチング等、総合的な受入れモデルを構築する専修学校における取組を支援しているところ、これらの取組によって得られた教育プログラム等に関する成果を公表して広く情報共有する。
これらの取組により、大学・専修学校、企業、地方公共団体等の連携の下、留学生を国内企業への就職につなげる仕組みの構築を推進する。〔文部科学省〕
総合的対応策71と同様
106 文部科学省が認定する、留学生がビジネス日本語等を身に付けるための教育プログラム「留学生就職促進履修証明プログラム(仮称)」について在学中のみならず、企業への内定後や大学卒業後をフォローアップする教育プログラムについても認定することとして、更なる活用促進を図る。〔文部科学省〕 総合的対応策71と同様
107 大学等における就職率等の情報開示等の取組を集約し、効果的に発信するため日本学生支援機構の特設サイトにおいて、大学等の情報の掲載を進めるとともに、就職支援の取組や就職状況に応じて教育機関に対する奨学金の優先配分を行う。〔文部科学省〕 総合的対応策72と同様
108 留学生の国内就職の促進のため、留学の在留資格から就労関係の在留資格変更手続の簡素化等を行うことを踏まえ、大学等の進路相談等において留学生の在留資格の変更に対する支援が効果的に行えるよう、法務省、文部科学省と大学等が連携し、研修会(意見交換)を行う。〔法務省、文部科学省〕 総合的対応策73と同様
111 ハローワークの「外国人雇用サービスセンター」や「留学生コーナー」を地域の拠点として、担当者制によるきめ細かな相談・支援を行うほか、地方企業、地方公共団体、JETRO等関係機関と連携し、インターンシップの充実や留学生向け求人の掘り起こし、就職ガイダンス等のセミナー、合同企業説明会の開催等に取り組むことで、留学生と企業の更なるマッチングの推進を図る。
また、上記拠点において、地方公共団体が設置する一元的な窓口と必要な連携を図る。〔厚生労働省、経済産業省〕
総合的対応策76と同様
112 入学を志願する留学生向けの情報提供を促し、国内企業のニーズに応じた留学生の受入れを促進するため、海外において、関係機関との連携により、卒業後の我が国での就職等のキャリアパスをはじめとした日本留学の魅力について統合的な発信を図る。〔文部科学省〕 総合的対応策77と同様
4 新たな在留管理体制の構築
(3)留学生の在籍管理の徹底
154 留学生が我が国で就職して活躍するための前提として、留学生が学業に専念し、高度な専門性・技術や日本語能力を身に付けて適正に課程を修了することができるよう、高等教育機関の質の確保と留学生の適正な管理が求められる。このため、各大学、高等専門学校、専修学校に対して留学生の適切な受入れ及び学業成績や資格外活動の状況等の的確な把握や適切な指導等の在籍管理の徹底を求めるとともに、出入国在留管理庁と情報共有の上、在籍管理が不十分な大学等に対し、連携して実態調査及び指導を実施することで、留学生の在籍管理について更なる徹底を図る。〔文部科学省〕 総合的対応策79と同様
155 留学生の在籍管理状況の迅速・的確な把握と指導の強化を行う。また、指導の結果、在籍管理の適正を欠く大学等については、改善が認められるまでの間、原則として、留学生の受入れを認めない等の在留資格審査の厳格化を図る。
あわせて、在籍管理の適正を欠く大学等に対する私学助成の減額・不交付措置や大学等名の公表等の制裁を強化する。〔法務省、文部科学省〕
出入国在留管理庁は、大学等の在籍管理状況から所属する外国人留学生について1年に一度在留状況を確認する必要があると判断した場合は、慎重審査対象校として入国手続等の申請を簡素化せず原則どおり手続を行うこととしており、その他の場合は、申請を簡素化することができることとしている。また、在籍管理の適正を欠く大学等に対して外国人留学生の受入れを認めないなどの厳格化については、省令改正等の措置を検討中であるとしている。
文部科学省は、日本政府奨学金について、令和元年度から、当該年度の前年及び前々年の連続する2年間に外国人留学生総数の5%又は10名のいずれか少ない数を超える不法残留者がいた大学等からの推薦は受け付けないこととしていた。しかし、私学事業団が交付した経常費補助金の交付先には、各大学等の不法残留者や在留資格「留学」の在留期間更新許可申請が不許可となった者の状況等により、1年に一度在留状況を確認する必要があるなどと判断して出入国在留管理庁が慎重審査対象校とした大学が含まれていた。
156 専ら日本語教育を行う留学生別科について、日本語教育機関の告示基準に準じた基準を作成し、当該基準への適合性の確認を受けている留学生別科のみ留学生の受入れを認める仕組みを構築する。加えて、非正規生等について、大学学部進学のための予備教育に受け入れる場合には、留学生別科に係る新基準によるものを除き、在留資格を認めない仕組みを構築する。〔文部科学省、法務省〕 文部科学省は、令和元年9月以降、日本語予備教育を行う留学生別科等の基準に関する協力者会議を開催するなどしており、同会議は「日本語予備教育を行う留学生別科等の基準に関する協力者会議まとめ(案)」を取りまとめるなどしている。
  • (注) 「施策内容」欄は総合的対応策又は総合的対応策(改訂)から引用している。