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  • (2) 補助対象事業費を過大に精算していたもの

子どものための教育・保育給付交付金の交付対象事業費を過大に精算していたもの[2県](8)(9)


(2件 不当と認める国庫補助金 29,754,828円)

子どものための教育・保育給付交付金(平成29年度以前は子どものための教育・保育給付費国庫負担金。以下「交付金」という。)は、小学校就学前の子どもの保護者が教育・保育給付の認定を受けた場合の当該子ども(以下「給付認定子ども」という。)に対して社会福祉法人等が設置する保育所や認定こども園等(以下、これらを合わせて「民間保育所等」という。)が教育又は保育を実施する際に、市町村(特別区を含む。)が当該民間保育所等に対して支弁する施設型給付費等の支給等に要する費用の一部について国が交付するものである。

交付金の交付額は、「子どものための教育・保育給付交付金の交付について」(平成30年府子本第333号。以下「交付要綱」という。)等に基づき、次のとおり算定することとなっている。

  • 費用の額
  • 利用者負担額
  • 交付対象事業費
  • 交付対象事業費
  • ×
  • 国庫負担率
  • 交付金の交付額
(注)
国庫負担率  平成29年度は1/2、30年度は1/2又は52.875/100、令和元年度は1/2又は55.2/100、2年度は1/2又は56.835/100

そして、この費用の額は、民間保育所等の所在地域、利用定員、給付認定子どもの年齢等の別に1人当たり月額で定められている基本分単価や各種加算の額に、各月の給付認定子ども数を乗ずるなどして算出した年間の合計額によることとなっている。ただし、給付認定子どものうち教育給付に係る子ども(以下「1号認定子ども」という。)については、費用の額に一定の率を乗じて当該合計額を減額することとなっている。

また、認定こども園については、当該施設において延長保育事業等の所定の事業等を複数実施するなどの要件を満たさない場合には、基本分単価等を減額することとなっている。

本院が、22都道府県の179事業主体において会計実地検査を行うとともに、4県の49事業主体から関係資料の提出を受けるなどして検査したところ、2県の2事業主体において、誤って、1号認定子どもについて費用の額に一定の率を乗じて減額していなかったり、認定こども園において所定の事業等を複数実施するなどの要件を満たしていないのに基本分単価等を減額していなかったりしており、費用の額を過大に算定していたため、交付対象事業費が過大に精算されていて、これに係る交付金相当額計29,754,828円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2事業主体において交付要綱等についての理解が十分でなかったり、事業実績報告書の作成に当たり確認が十分でなかったりしたこと、2県において事業実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

事例

大分県国東市は、令和2年度の交付金の交付対象事業費を656,426,332円と算定して、事業実績報告書を大分県に提出し、これにより交付金347,948,028円の交付を受けていた。しかし、同市は、1号認定子どもについて、費用の額に一定の率を乗じて減額していなかったことから、費用の額を39,907,969円過大に計上していた。

このため、交付対象事業費39,907,969円が過大に精算されていて、これに係る交付金相当額19,953,985円が過大となっていた。

以上を部局等別に示すと次のとおりである。

 
部局等
交付金事業者
(事業主体)
交付金事業
年度
事業費
左に対する交付金交付額
不当と認める事業費
不当と認める交付金相当額
          千円 千円 千円 千円
(8)
神奈川県
茅ヶ崎市
子どものための教育・保育給付交付金
平成29~令和2
14,487,210 7,598,526 19,601 9,800
(9)
大分県
国東市
2 656,426 347,948 39,907 19,953
(8)(9)の計 15,143,636 7,946,474 59,509 29,754