(7件 不当と認める国庫補助金 53,732,000円)
部局等 |
補助事業者等 |
間接補助事業者等 |
補助事業等 |
年度 |
事業費
国庫補助対象事業費
|
左に対する国庫補助金等交付額 |
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
|
不当と認める国庫補助金等相当額 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(200) | 林野庁 |
一般社団法人全国木材組合連合会 |
株式会社サトウ産業
(事業主体) |
過剰木材在庫利用緊急対策 |
2 | 34,037 (34,037) |
16,860 | 34,037 (34,037) |
16,860 |
(201) | 同 | 同 | 株式会社服部工務店
(事業主体) |
同 | 2 | 37,765 (37,765) |
14,952 | 37,765 (37,765) |
14,952 |
(202) | 同 | 同 | 株式会社吉元工務店
(事業主体) |
同 | 2 | 18,477 (18,477) |
9,238 | 18,477 (18,477) |
9,238 |
(203) | 同 | 同 | 悠悠ホーム株式会社
(事業主体) |
同 | 2 | 15,467 (15,467) |
7,078 | 15,467 (15,467) |
7,078 |
(204) | 同 | 同 | 一吉工業株式会社
(事業主体) |
同 | 2 | 5,121 (5,121) |
2,389 | 5,121 (5,121) |
2,389 |
(205) | 同 | 同 | 梅木建設株式会社
(事業主体) |
同 | 2 | 5,646 (5,646) |
1,919 | 5,646 (5,646) |
1,919 |
(206) | 同 | 同 | 岐建株式会社
(事業主体) |
同 | 2 | 25,852 (25,852) |
1,296 | 25,852 (25,852) |
1,296 |
(200)―(206)の計 | 142,368 (142,368) |
53,732 | 142,368 (142,368) |
53,732 |
これらの補助事業は、7事業主体が、新型コロナウイルス感染症の影響により輸出できずに行き場のなくなった原木在庫の解消に貢献することを目的として、公共建築物等の整備において木材製品を利用した事業に国庫補助金を交付したものである。
過剰木材在庫利用緊急対策事業実施要領(令和2年2林政利第38号林野庁長官通知)等によれば、事業実施主体である一般社団法人全国木材組合連合会(以下「全木連」という。)は、工務店等の事業主体が幼稚園、保育所等の公共建築物等の構造材、内装材等に木材製品を利用して新築等する場合に助成金を交付することとされており、事業の対象とすることができる建築物等の要件は、当該建築物が本件補助事業以外に国からの助成を受けていないものなどとされている。
7事業主体は、令和2年度に、本件補助事業を事業費計142,368,417円(助成対象事業費同額)で実施したとして、全木連から助成金計53,732,000円(国庫補助金相当額同額)の交付を受けていた。
しかし、本件補助事業の対象とした建築物については、当該建築物の整備に当たり建築主が地方創生拠点整備交付金、社会資本整備総合交付金等の交付を受けるなどしていて本件補助事業以外に国からの助成を受けており、7事業主体は、当該建築主に確認するなどすれば国からの助成の有無を把握できたにもかかわらず、その確認を行うなどしないまま、当該建築物が本件補助事業に係る助成の要件を満たすものとして全木連に対して事業申請を行い、助成金の交付を受けていた。
したがって、これらの建築物は、本件補助事業の対象とは認められず、これに係る国庫補助金相当額計53,732,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、7事業主体において本件補助事業の要件についての確認の重要性に対する認識が欠けるなどしていたこと、全木連において本件補助事業の要件についての確認及び事業主体に対する指導が十分でなかったこと、林野庁において全木連に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
<事例>
事業主体である株式会社サトウ産業(新潟県上越市所在)は、農産物等を雪室に保管するための雪中貯蔵施設の整備に当たり、令和2年9月に本件補助事業の事業申請を行い、構造材を132.8m³(事業費34,037,624円)利用したとして、助成金16,860,000円の交付を受けていた。
しかし、当該建築物については、その整備に当たり建築主である上越市が内閣府の地方創生拠点整備交付金51,273,200円を受けていて本件補助事業の対象とならないものであったのに、同会社は、同市に国からの助成の有無を確認しないまま、本件補助事業の事業申請を行っていた。