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  • 令和3年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
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  • (1) 補助の対象とならないもの

林業・木材産業成長産業化促進対策交付金の交付対象事業費に、対象とならない経費を含めていたもの[林野庁](209)


(1件 不当と認める国庫補助金 4,436,938円)

 
部局等
補助事業者等
間接補助事業者等
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(209)
林野庁
和歌山県
株式会社新宮原木市場
(事業主体)
林業・木材産業成長産業化促進対策交付金
元、2
151,789
(138,250)
65,690 10,271
(9,337)
4,436

この交付金事業は、株式会社新宮原木市場(和歌山県新宮市所在。以下「会社」という。)が、生産・加工・流通コストの一体的な削減を図るために、木材加工流通施設整備として、選別機、剥皮施設、これらに係る建屋2棟等の整備を実施したものである。

林業・木材産業成長産業化促進対策交付金実施要領(平成30年29林政経第349号林野庁長官通知)等によれば、施設等の整備に当たっては、建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)に規定する構造耐力上主要な部分、すなわち、柱、小屋組等に用いる製材品については、「日本農林規格等に関する法律」(昭和25年法律第175号。以下「JAS法」という。)の規定に基づき、「製材の日本農林規格」(平成19年農林水産省告示第1083号)又は「枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格」(昭和49年農林省告示第600号)に適合すると認められて格付けされたもの(以下「JAS材」という。)を使用することなどの要件を満たすこととされている。また、林野庁は、この要件を定めた理由について、木材の利用促進に当たり、品質・性能が確かなJAS材を広く普及させるためとしている。

会社は、木材加工流通施設整備を事業費計151,789,000円(交付対象事業費計138,250,000円)で実施したとして、和歌山県に実績報告書等を提出し、これにより交付金65,690,000円の交付を受けていた。

しかし、前記建屋2棟の構造耐力上主要な部分に用いられた製材品は、JAS法に基づく認証を受けていない工場において製材されるなどしていて、JAS材でなかったことから、当該建屋2棟は本件交付金事業の要件を満たしていなかった。

したがって、建屋2棟に係る事業費10,271,691円(交付対象事業費9,337,901円)については交付の対象とは認められず、これに係る交付金相当額4,436,938円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、会社において本件交付金事業の要件についての理解が十分でなかったこと、和歌山県において実績報告書等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。