(1件 不当と認める国庫補助金 202,834,079円)
部局等 |
補助事業者等 |
間接補助事業者等
(事業主体) |
補助事業等 |
年度 |
事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額 |
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(238) | 沖縄総合事務局 |
沖縄県 |
那覇港管理組合 |
沖縄振興公共投資交付金 |
平成26~令和元 |
358,975 (357,942) |
322,148 | 357,942 (357,942) |
202,834 |
この交付金事業は、那覇港管理組合が、那覇港の泊ふ頭において、フェリー等の利用者のために、臨港交通施設である既存の道路等に屋根付き歩道の整備を事業費計358,975,584円(交付対象事業費計357,942,495円)で実施したものである。
沖縄振興公共投資交付金交付要綱(平成24年国官会第3284号国土交通事務次官通知。以下「交付要綱」という。)によれば、交付金事業における港湾改修事業は、港湾法(昭和25年法律第218号)に規定する港湾施設のうち、水域施設、外郭施設、係留施設、臨港交通施設及び港湾施設用地の建設又は改良を行う事業とされている。そして、これらの港湾改修事業のうち、離島間の連絡船等の港内における安全な航行、係留の確保を目的として実施する事業に係る国の負担割合は、交付対象事業費の10分の9以内とすることとされており、港湾施設の利便性の向上に資する局部的な改良を行う事業に係る国の負担割合は、交付対象事業費の3分の1以内とすることとされている。
事業主体である同組合は、フェリー等の利用者の通行経路を整備することにより、係留作業と利用者の動線が分離されて、このことが安全な係留作業につながることから、本件交付金事業が、離島間の連絡船等の港内における安全な航行、係留の確保を目的として実施した事業であるとして、国の負担割合を10分の9として交付金の額を計322,148,244円と算定し、完了実績報告書を沖縄県に提出するなどして、同額の交付金の交付を受けていた。
しかし、本件交付金事業は、フェリー等の利用者が通行していた臨港交通施設である既存の道路の歩道部分に雨よけなどのための屋根を設置するなどしていて、港湾施設の利便性を向上させるための局部的な改良を実施した事業であり、離島間の連絡船等の港内における安全な航行、係留の確保を目的とした事業とは認められないことから、交付対象事業費について国の負担割合を10分の9としたのは誤りであって、正しくは3分の1以内であった。
したがって、交付要綱に基づき、本件交付金事業に係る交付対象事業費について国の負担割合を3分の1として適正な交付金の額を算定すると計119,314,165円となり、前記の交付金交付額322,148,244円との差額202,834,079円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同組合において本件交付金事業における国の負担割合についての理解が十分でなかったこと、同県において同組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。