(1件 不当と認める国庫補助金 3,612,000円)
部局等 |
補助事業者
(事業主体) |
補助事業等 |
年度 |
事業費
国庫補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額 |
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金等相当額 |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(241) | 千葉県 |
流山市 |
公的賃貸住宅家賃対策補助 |
平成29~ 令和2 |
79,993 (79,993) |
39,996 | 7,223 (7,223) |
3,612 |
この補助事業は、流山市が、既存民間住宅の所有者から借り上げた住戸を転貸して管理している公営住宅(計5住宅。以下「借上公営住宅」という。)に居住する者に対する家賃の低廉化を事業費計79,993,000円(国庫補助金計39,996,000円)で実施したものである。
この借上公営住宅の家賃の低廉化に係る事業費は、公営住宅等家賃対策補助金交付要領(平成8年建設省住備発第87号)等に基づき、借上公営住宅の住宅等ごとに、次のとおり、対象となる額(以下「補助基本額」という。)をそれぞれ算定し、これらの補助基本額を合計するなどした額とすることとなっている。
そして、借上公営住宅の借上げに要する費用の月割額(以下「借上額」という。)が近傍同種の住宅の家賃の額(以下「近傍同種家賃」という。)を下回る場合は、近傍同種家賃から借上額を控除した額に補助対象月数及び補助対象戸数を乗じて得た額(以下「近傍同種家賃差額」という。)を、補助基本額から控除することとなっている。
また、公営住宅の入居者が建替、用途廃止等により他の公営住宅(借上公営住宅を含む。)に入居する際、新たに入居する公営住宅の家賃が従前の公営住宅の最終の家賃を超えることとなる場合には、当該入居者の居住の安定を図るなどのため、新たに入居する公営住宅の家賃を一定期間、減額することができることとされている。この場合の入居者負担基準額(以下「建替等入居者負担基準額」という。)は、次のとおり、新たに入居する公営住宅の入居者負担基準額(以下「新たな入居者負担基準額」という。)から従前の公営住宅の最終の入居者負担基準額(以下「従前の入居者負担基準額」という。)を控除した額に、新たに入居した公営住宅の入居期間に応じた率を乗じて得た額を、新たな入居者負担基準額から控除した額とすることなどとなっている。
そして、新たな入居者負担基準額及び従前の入居者負担基準額は、それぞれ次のとおり、家賃算定基礎額に三つの係数(以下、三つの係数を合わせて「三係数」という。)を乗じて算定することとなっている。
同市は、補助基本額を合計するなどして、前記のとおり事業費を計79,993,000円と算定していた。
しかし、同市は、平成29年度の補助基本額の算定に当たり、借上額が近傍同種家賃を下回っていたのに、誤って、近傍同種家賃差額を補助基本額から控除していなかった。
また、同市は、29年度から令和2年度までの建替等入居者負担基準額の算定に当たり、誤って、家賃算定基礎額に三係数(積が1未満)を二度乗ずるなどして従前の入居者負担基準額を過小に算定していたため、近傍同種家賃から控除する入居者負担基準額が過小に算定されていた。このほか、同市は、平成29年度の補助対象月数、令和2年度の補助対象戸数を過大に算定するなどしていた。
これらのことから、同市において補助基本額が過大に算定され、その結果、事業費が過大に算定されていた。
したがって、適正な事業費を算定すると、計72,770,000円となることから、前記の事業費79,993,000円との差額7,223,000円が過大となっていて、これに係る国庫補助金相当額3,612,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において借上額が近傍同種家賃を下回る場合の補助基本額の取扱いや入居者負担基準額等の算定についての理解が十分でなかったこと、千葉県において交付申請書等の審査が十分でなかったことなどによると認められる。