(1件 不当と認める国庫補助金 1,728,293円)
部局等 |
補助事業者等
(事業主体) |
補助事業等 |
年度 |
事業費
国庫補助対象事業費
|
左に対する国庫補助金等交付額 |
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
|
不当と認める国庫補助金等相当額 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(243) | 佐賀県 |
佐賀県 |
防災・安全交付金(河川) |
元、2 | 114,573 (111,022) |
43,959 | 4,504 (4,364) |
1,728 |
この交付金事業は、佐賀県が、唐津市相知町地内の伊岐佐ダムにおいて、老朽化したダム管理用制御処理設備を更新することを目的として、貯水位計計測装置、放流操作装置等を製作するなどの電気通信設備工事を契約額114,573,800円(交付対象事業費111,022,013円、交付金交付額43,959,856円)で実施したものである。
同県は、電気通信設備工事費の積算を同県が制定した「電気通信関係標準積算基準及び積算資料」(以下「積算基準」という。)に基づいて行っており、積算基準によれば、電気通信設備工事費における機器間接費のうち、機器の施工現場での適切な管理等に要する経費である機器管理費は、機器単体費の合計(以下「対象額」という。)に、対象額に応じて算出される機器管理費率を乗じて算定することとされている。そして、機器の製作のみを行う場合等には、上記の機器管理費率に補正係数を乗じて補正を行うこととされている。
同県は、当初、貯水位計計測装置等の機器を製作して、ダム管理所内に据え付けることとしていたが、その後、本件ダム管理用制御処理設備に接続する操作盤の更新工事の発注が遅れたことによって工事期間中に機器の据付け後に行う機器調整のための期間を確保することができない状況となった。このため、本件工事では当該機器の据付けを行わないこととし、製作のみを行うこととするなどの設計変更を行い、機器管理費については対象額に機器管理費率7.08%を乗じて算定するなどして電気通信設備工事費を124,498,000円と算定していた。そして、同県が制定した「請負工事及び委託業務における設計変更の取扱要領」に基づき、電気通信設備工事費124,498,000円に、当初の電気通信設備工事費に対する当初の契約額の割合である落札率を乗ずるなどして、契約額を114,573,800円と算定し、これにより変更契約を締結していた。
しかし、積算基準によれば、本件工事のように機器の製作のみを行う場合には、機器管理費率に補正係数0.5を乗じて補正を行うこととされているのに、同県は、この補正を行っていなかった。
したがって、機器管理費率7.08%に補正係数0.5を乗じて補正を行うなどして適正な電気通信設備工事費を算定すると119,603,000円となり、これに基づき適正な契約額を算定すると110,069,300円(交付対象事業費106,657,152円)となることから、本件契約額114,573,800円(交付対象事業費111,022,013円)は、これに比べて4,504,500円(交付対象事業費4,364,861円)過大となっており、これに係る交付金相当額1,728,293円が過大に交付されていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において、積算基準に対する理解が十分でなかったことなどによると認められる。