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  • 令和4年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第5 文部科学省|
  • 令和3年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

家庭学習のための通信機器整備支援事業により整備したモバイルWi―Fiルータ等の使用状況について


令和3年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

文部科学省は、公立学校情報機器整備費補助金交付要綱に基づき、地方公共団体等に対して公立学校情報機器整備費補助金を交付している。同補助金の対象となる事業のうち、「家庭学習のための通信機器整備支援事業」(以下「補助事業」という。)は、都道府県及び市町村(特別区、市町村の組合及び広域連合を含む。以下、これらを合わせて「事業主体」という。)に対し、公立の小学校、中学校等の児童生徒が、学校教育活動の一環としてインターネットを利用して行う家庭における学習活動(以下「家庭学習」という。)に必要となるモバイルWi―Fiルータ等(以下「ルータ」という。)の貸与を目的とした購入費を補助するものである。しかし、家庭学習における使用を目的として整備したルータについて、納品から1年以上にわたって家庭学習において使用されていないものが多数あり、今後使用される見込みがないものも多数ある事態が見受けられた。

したがって、補助事業により整備したルータが、今後、可能な限り有効に活用されるなどするよう、文部科学大臣に対して令和4年10月に、会計検査院法第36条の規定により次のとおり意見を表示した。

ア ルータの家庭学習における使用が低調となっている理由を事業主体に確認させた上で、これを踏まえ、ルータの家庭学習における使用を促進するための方策を検討し、その結果を事業主体に対して周知すること

イ 家庭学習における使用の妨げとならない範囲でルータの家庭学習以外での有効活用を図るための用途や方法を検討し、その結果を踏まえ、参考となる事例を紹介するなど適切な活用方法を事業主体に対して周知すること

2 当局が講じた処置

本院は、文部科学本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、文部科学省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア ルータの家庭学習における使用が低調となっている理由について、事業主体に対して調査を実施して確認させた上で、これを踏まえ、家庭学習における使用を促進するための方策等について検討し、ルータを放課後子ども教室で使用するなどの検討結果について5年2月に事務連絡を発して、事業主体に周知した。

イ ルータの家庭学習以外での有効活用を図るための用途や方法について、事業主体に対して調査した上で検討し、その結果を踏まえ、アの事務連絡において、校外における教育活動で活用するなどの参考となる事例を紹介するなどして、適切な活用方法を事業主体に周知した。