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  • (2) 補助金が過大に交付されていたもの

循環型社会形成推進交付金事業において、現場管理費の算定が適切でなかったため交付金が過大に交付されていたもの[2府県](265)(266)


(2件 不当と認める国庫補助金 34,997,000円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
千円 千円 千円 千円
(265)
茨城県
水戸市
循環型社会形成推進交付金
平成29~令和2
4,713,311
(4,281,558)
1,427,186 101,682
(101,682)
33,894
(266)
京都府
綾部市
平成28~令和2
428,866
(376,608)
125,534 3,315
(3,315)
1,103
(265)(266)の計 5,142,177
(4,658,166)
1,552,720 104,997
(104,997)
34,997

これらの交付金事業は、循環型社会形成の推進に必要な廃棄物処理施設の整備を2事業主体が実施したものである(交付対象事業費を構成する費用の算定の概要については、前掲「循環型社会形成推進交付金事業等において、交付対象事業費に対象とならない設備等の整備に要した費用を含めていたり、現場管理費等の算定が適切でなかったなどのため交付金が過大に交付されていたりしていたもの」参照)。

2府県の2事業主体は、本件交付金事業の交付対象事業費の算定に当たり、本工事費のうち現場管理費について、純工事費から特殊製品費の2分の1に相当する額を減額していなかったり、取扱要領に定められた所定の率よりも高い予定価格の積算の際に適用した率を用いたりして算出していた。

したがって、2事業主体が実施した交付金事業において、取扱要領に基づいて現場管理費を算出するなどして適正な交付対象事業費を算定すると計4,553,169,000円となることから、本件交付対象事業費計4,658,166,000円は、これに比べて104,997,000円過大となっており、これに係る交付金相当額計34,997,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2事業主体において交付対象事業費の算定についての理解が十分でなかったこと、2府県において本件交付金事業の実績報告書の審査及び2事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

事例

水戸市は、循環型社会形成推進交付金事業として、水戸市下入野町地内において、最終処分場を整備する工事を事業費4,713,311,000円(交付対象事業費4,281,558,000円、交付金交付額1,427,186,000円)で実施していた。

しかし、同市は、本件交付対象事業費の算定に当たり、本工事費のうち現場管理費について、純工事費から特殊製品費(コンクリート製の側溝等の調達額)の2分の1に相当する額計501,089,769円を減額していなかったり、取扱要領に定められた所定の率(7.5%)よりも高い予定価格の積算の際に適用した「茨城県積算基準及び標準歩掛 土木編」(茨城県土木部)に定める率(21.41%等)を用いたりして算出していた。

したがって、取扱要領に基づいて現場管理費を算出するなどして適正な交付対象事業費を算定すると4,179,876,000円となることから、本件交付対象事業費4,281,558,000円は、これに比べて101,682,000円過大となっており、これに係る交付金相当額33,894,000円が過大に交付されていた。