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  • 令和4年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第10 国立研究開発法人国立環境研究所|
  • 令和3年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)における生化学検査等の業務に係る契約について


(令和3年度決算検査報告参照)

1 本院が求めた是正改善の処置

国立研究開発法人国立環境研究所(以下「研究所」という。)は、化学物質のばく露や生活環境が、子どもの健康にどのような影響を与えているかを明らかにして、化学物質等の適切なリスク管理体制の構築につなげることを目的として、子どもの健康と環境に関する全国調査(以下「エコチル調査」という。)を実施している。そして、研究所は、エコチル調査に係る契約を、総額をもって契約金額とする契約(以下「総価契約」という。)又は単価を契約の主目的とし、期間を画してその供給を受けた実績数量を乗じて得た金額の対価を支払うことを内容とする契約(以下「単価契約」という。)により締結しており、その契約書においては、必要がある場合には、研究所は業務の内容を変更することができ、この場合において契約金額又は契約期間を変更するときは、契約の相手方と協議して書面によりこれを定めることとなっている。しかし、総価契約において、業務の実績数量が仕様書に記載されている予定数量を相当下回っているなどしていたのに契約変更等を行わないまま契約金額の全額を支払っていたり、単価契約において、単価が被験者1人当たりの金額として設定されているため、検査項目の全部又は一部の検査が行われていなくても被験者1人当たりの単価により支払われていたりした事態及び契約変更を行わずに請負者に対して仕様書に記載されていない業務を行わせていた事態が見受けられた。

したがって、国立研究開発法人国立環境研究所理事長に対して令和4年10月に、会計検査院法第34条の規定により次のとおり是正改善の処置を求めた。

  • ア 契約変更等を行う場合の基準や業務費の単価の設定方法等、実際の業務の実績を適切に反映した経済的な支払が可能となる具体的な方策を定めて、これらを関係部局に周知徹底すること
  • イ 監督職員に任命されることが想定される要求部局の職員に対して、仕様書に記載されていない業務を新たに請負者に行わせる場合には契約変更を行う必要があることについて指導、研修等を行うこと

2 当局が講じた処置

本院は、研究所において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、研究所は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 5年1月に、実際の業務の実績を適切に反映した経済的な支払が可能となるよう「物品購入・役務等契約マニュアル」を改訂し、契約変更を行う場合の基準や業務費の単価の設定方法等を定めるとともに、これを関係部局に周知徹底した。

イ 5年5月までに、監督職員に任命されることが想定される要求部局の職員に対して、仕様書に記載されていない業務を新たに請負者に行わせる場合には契約変更を行う必要があることについて研修を行った。また、今後においても、同様の研修を継続して実施していくこととした。