(1件 不当と認める国庫補助金 8,306,688円)
部局等
|
補助事業者等
|
間接補助事業者等
|
補助事業等
|
年度
|
事業費
国庫補助対象事業費
|
左に対する国庫補助金等交付額
|
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
|
不当と認める国庫補助金等相当額
|
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(202) |
農林水産本省
|
公益財団法人日本特産農産物協会
|
群馬県
吾妻郡高山村 株式会社唐澤商店 (事業主体) |
産地パワーアップ事業費補助金
|
30 | 66,892 (66,892) |
30,968 | 17,943 (17,943) |
8,306 |
この補助金は、地域の営農戦略に基づいて実施する産地の高収益化に向けた取組を総合的に支援することを目的として、産地パワーアップ事業実施要綱(平成28年27生産第2390号農林水産事務次官依命通知)等に基づき、公益財団法人日本特産農産物協会(以下「協会」という。)に対して基金を造成させるために交付するものである。
そして、基金を造成した協会は、産地パワーアップ事業を実施する都道府県に対して、この基金を取り崩して、助成金を交付している。
株式会社唐澤商店(高山村所在。以下「会社」という。)は、種苗用サツマイモの出荷量の増加、作業効率の向上や低コスト化、集出荷体制の確立等を目的として、種芋キュアリング貯蔵庫(注)(以下「貯蔵庫」という。)の整備等を事業費66,892,176円(補助対象事業費同額)で実施したとして、高山村に実績報告書等を提出して、同村の審査を経て村費補助金30,968,000円の交付を受けていた。そして、群馬県は、同村から提出された実績報告書等を審査して同村に同額の県費補助金を交付しており、同県は、協会から、県費補助金と同額の助成金(国庫補助金相当額同額)の交付を受けていた。
しかし、会社は、平成30年10月までに貯蔵庫の整備を請け負った業者(以下「請負業者」という。)に対して請負代金額計64,799,136円を支払った後、同年12月に請負業者から13,283,000円の返金を受けていて、実際の請負代金額は実績報告書等で報告された金額より低額となっていた。また、種芋を保管する貯蔵室内の温度を一定に保つために貯蔵庫に設置することとなっていた冷凍機及び2台のユニットクーラー(これらの設置に係る経費4,660,740円)については、実績報告書に添付された出来高設計書において設置されたとして報告されていたが、設置された事実は認められなかった。
したがって、実際に本件補助事業の実施に要した経費に基づくなどして適正な補助対象事業費を算定すると48,948,436円となり、前記の補助対象事業費66,892,176円との差額17,943,740円が過大に精算されるなどしていて、取り崩された基金8,306,688円(国庫補助金相当額同額)の使用が適切でなく、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、会社において補助事業の適正な実施に対する認識が著しく欠けていたこと、群馬県及び高山村において本件補助事業に係る実績報告書等の審査及び現地調査並びに会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。