(1件 不当と認める国庫補助金 3,099,206円)
部局等
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補助事業者
(所在地) |
間接補助事業者
(所在地) |
補助事業等
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年度
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事業費
補助対象事業費
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左に対する国庫補助金交付額
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不当と認める補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金相当額
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(205) |
経済産業本省
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Japan Premium Leather Project
(代表者 株式会社前實) (兵庫県姫路市) 〈事業主体〉 |
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皮革産業振興対策事業費補助金
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元、2 | 30,718 (28,284) |
18,400 | 5,333 | 3,099 |
この補助金は、我が国の中小皮革産業の健全な発展に寄与することを目的として、皮革・皮革製品関連の事業者グループを形成し、国内外の展示会・見本市への出展等の皮革製品デザイン促進事業等を行う皮革産業関係民間団体等に対して、これに要する経費の一部を補助するものである。この補助金の補助事業者募集要領によれば、応募資格は皮革・皮革製品関連の4社以上で構成される事業者グループであることとされており、グループにおいて代表者を定めて、当該代表者が補助事業の実施、補助事業に係る経費の出納等について責任を負うこととされている。
事業者グループであるJapan Premium Leather Projectの代表者である株式会社前實(以下「会社」という。)は、令和元、2両年度に皮革関連産業の商品開発力等を高めるために、素材の開発、製品の試作、海外展示会への出展及び国内における個展開催を行うなどの事業を事業費計30,718,764円(補助対象事業費計28,284,781円)で実施したとする実績報告書を経済産業本省に提出して、これにより国庫補助金計18,400,000円の交付を受けていた。
しかし、会社は、製品の試作における皮革加工に係る外注費について、外注先への便宜を図るためなどとして同時期に行った同種の取引における価格(以下「同種取引価格」という。)を上回る金額を外注先に支払い、この金額により事業に要した経費を算出することにより、補助対象事業費を計3,378,240円過大に計上していた。また、会社は、製品の試作における皮革加工に係る薬剤の購入費について、実際の支払額を上回る金額を記載した虚偽の請求書等を購入先に作成させるなどして、事業に要した経費を水増しすることにより、補助対象事業費を計955,350円過大に計上していた。さらに、会社は、製品の試作のために購入したとしていた皮革素材の一部について、本件補助事業に使用していなかったのに、その購入に係る経費1,000,000円を補助対象事業費に含めていた。
したがって、外注費及び薬剤の購入費について同種取引価格や実際の支払額に基づいて算定するとともに、本件補助事業に使用していない皮革素材の購入費を除いて適正な補助対象事業費を算定すると計22,951,191円となり、前記の補助対象事業費計28,284,781円との差額5,333,590円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額計3,099,206円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、会社において補助事業の適正な執行に対する認識が著しく欠けていたこと、経済産業本省において会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。