(1件 不当と認める国庫補助金 1,550,000円)
部局等
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補助事業者
(所在地) |
間接補助事業者等
(所在地) |
補助事業等
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年度
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事業費
補助対象事業費
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左に対する国庫補助金等交付額
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不当と認める補助対象事業費
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不当と認める国庫補助金相当額
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(206) |
九州経済産業局
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株式会社福重電工
(鹿児島県薩摩川内市) 〈事業主体〉 |
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中小企業経営支援等対策費補助金
(商業・サービス競争力強化連携支援事業) |
2 | 39,535 (36,027) |
24,018 | 2,325 | 1,550 |
この補助金は、中小企業の新たな事業活動の促進を図ることなどを目的として、中小企業経営支援等対策費補助金(商業・サービス競争力強化連携支援事業)交付要綱(20150806財中第2号)等に基づき、中小企業者が産学官で連携し、異業種分野の事業者との連携を通じて行う新しいサービスモデルの開発等のうち、地域経済を支えるサービス産業の競争力強化に資すると認められる取組に要する経費の一部を補助するものである。
商業・サービス競争力強化連携支援事業(新連携支援事業)公募要領によれば、補助金の交付を受けようとする者は、交付申請に先立ち、2以上の中小企業者が参加する連携体を構成して商業・サービス競争力強化連携支援事業計画書(以下「事業計画」という。)を作成し、経済産業局に提出して採択を受けることとされている。また、経済産業省が補助事業における経理処理等の基本的事項を定めて補助事業者に対して周知している補助事業事務処理マニュアルによれば、補助の対象として計上できる経費は、交付決定日以降に発生(発注)したもので、事業期間中に終了(支払)したものとされている。そして、同省によると、補助事業による物品の購入において、納品及び検収は、事業期間中に終了しなければならないとしている。
事業主体は、A社及びB社と連携体を構成して、通信機器を用いて災害発生時に避難する地域住民等の動態情報を地方自治体が管理するための防災IoTシステムを開発するとして、令和2年6月に事業計画の採択を受け、2年度の事業として通信機器を用いた実証実験等を内容とする事業を実施するとして、同年9月に交付決定を受けていた。上記の通信機器は、A社が開発するものであり、アンテナとして設置するゲートウェイ装置(以下「親機」という。)及び地域住民が携帯してその位置情報等を発信するデバイス装置(以下「子機」という。)で構成されている。事業主体は、上記の実証実験を実施するために、当該通信機器を用いた防災IoTシステムの開発を行うB社に対して、同年12月に親機20台及び子機200台を発注して、3年2月にこれらの購入に係る経費計6,600,000円を支払っていた。そして、事業主体は、当該事業を事業費39,535,555円(補助対象事業費36,027,675円)で実施したとする実績報告書を同年4月に九州経済産業局に提出して、これにより国庫補助金24,018,449円の交付を受けていた。
しかし、同年3月に実証実験を当初の計画よりも規模を縮小して実施することになり実証実験の実施に必要な通信機器の台数が減少したことから、事業主体が事業期間(2年9月から3年3月まで)中に納品を受けたのは実際には親機15台及び子機95台のみとなっていた。そして、残りの親機5台及び子機105台については、B社に保管されたままとなっていて、事業期間中に事業主体に納品されていなかったのに、事業主体は、これらの購入に係る経費計2,325,000円を実績報告書の補助対象事業費に計上していた。
したがって、事業期間中に納品されていなかった親機5台及び子機105台の購入に係る経費2,325,000円が過大に精算されていて、これに係る国庫補助金相当額1,550,000円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、事業主体において補助対象事業費に計上できる経費についての理解が十分でなかったこと、九州経済産業局において当該経費についての事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。