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  • 令和5年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 国土交通省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • (2) 補助金の交付額の算定が適切でなかったもの

表土掘削の設計数量を誤ったため、契約額が割高となっていたもの[埼玉県](234)


(1件 不当と認める国庫補助金 1,823,627円)

 
部局等
補助事業者等
(事業主体)
補助事業等
年度
事業費
国庫補助対象事業費
左に対する国庫補助金等交付額
不当と認める事業費
国庫補助対象事業費
不当と認める国庫補助金等相当額
          千円 千円 千円 千円
(234)
埼玉県
埼玉県
防災・安全交付金
(その他総合的な治水)
3、4 132,960
(127,960)
63,980 3,789
(3,647)
1,823

埼玉県は、さいたま市岩槻区大字大野島地内の一級河川元荒川において、浸食を受けた法面を保護するなどのために、河川土工、法覆護岸工等を実施している。このうち、河川土工は、法面整形工、表土掘削工等を行うものであり、表土掘削工は、表土掘削及び土砂等運搬処分を行うものである。

同県は、当初、現場内で発生した掘削土については現場内等で盛土等に利用することを想定していたが、工事に着手したところ、表土部分の掘削土に雑草の根等が混ざっていて現場内等で利用できないことが判明するなどしたことから、設計変更を行って、表土を掘削して処分するなどの表土掘削工を追加するなどした。そして、変更後の設計金額148,716,700円に、当初の予定価格に対する契約金額の割合である落札率を乗ずるなどして算定した額132,960,300円により変更契約を締結していた。

同県は、表土掘削に係る掘削土量の設計数量について、3,110㎥と算出していた。

しかし、この数値は表土掘削を行う箇所の面積の数量として算出した数値であり、掘削土量としては面積に厚さを乗ずるなどして算出した体積の数量である780㎥を用いるべきであった。

このため、表土掘削に係る掘削土量の設計数量は、適正な設計数量780㎥に対して2,330㎥過大となっていた。

したがって、適正な掘削土量の設計数量に基づいて本件工事費を修正計算すると129,170,529円となることから、本件契約額132,960,300円はこれに比べて3,789,771円(交付対象事業費3,647,255円)割高となっており、これに係る交付金相当額1,823,627円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において、設計変更に当たり、表土掘削に係る掘削土量の設計数量の確認が十分でなかったことなどによると認められる。