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  • 昭和22年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第3 内閣|
  • 同 歳出

予備費の支出当を得ないもの


(44)−(45) 予備費の支出当を得ないもの

(第5部行政部費 第2款内閣及各庁 第13項総理庁)

(44)  総理庁で、昭和23年3月内閣庁舎の火災復旧費として8,500,000円の予備費使用の決定を受けたものがあり、そのうち中央公職適否審査委負会用調査票カード類の再調達費5,572,000円は、その他に要する経費100,000円とともに役務費(目)印刷製本費(節)として予備費の使用を認められたもので、印刷製本費は当初予算1,256,905円と合わせ6,928,905円となつたのであるが、そのうち当初の目的どおり印刷製本費に使用したものはわずかに493,040円にとどまり、不用額としたものは3,324,364円で、他費目に流用した3,111,500円のうちには大蔵大臣の承認を経なければならないものがあるのにこれを経ていない。

(第5部行政部費 第2款内閣及各庁 第6項経済安定本部)

(45)  経済安定本部で、昭和22年6月経済安定本部機構拡大及び地方経済安定局設置に要する経費として、142,102,000円の予備費使用の決定を受けたものがあり、そのうち経済安定本部及び各地方経済安定局の電話交換機購入費として認められた35,000,000円は400回線の交換機10基の設備費で、本部に2基、各地方経済安定局に1基ずつとして計算されたものである。
 右1基当りの価格3,500,000円は当時としては見積過大であるばかりでなく、予定人員1局300名程度に過ぎない地方経済安定局に対しては、400回線の電話交換機は著しく過大なものであつたため、本部においては7,000,000円のうち5,586,558円を、各地方経済安定局においては28,000,000円のうち24,072,606円を大蔵大臣の承認を経て他費目に流用し、土地、庁舎、宿舎、庁用器具、各種消耗品等の購入、超過勤務手当等に充てており、そのうちには元来公共事業費をもつて施行すべき庁舎官舎の新営移築を行つたもの及び年度経過後に多額の消耗品等を購入したものがあり、いずれも不当な措置で、実際に電話交換機購入の経費として使用したものは、わずかに本部において1,413,442円、各地方経済安定局において合計3,373,054円に過ぎず、大阪、仙台、札幌各地方経済安定局においては全然電話交換機を施設しなかつた状況である。
 右は、必要以上の予備費を要求し、又その予備費使用の手続をとるに際し、内容の検討が十分でなかつたばかりでなく、これを他費用に流用するのを承認したことに因るものである。