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  • 昭和22年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第3 内閣|
  • (元内務省及び建設院の分)|
  • 同 歳出

予算を無視して工事を施行したもの


(86) 予算を無視して工事を施行したもの

(第11部公共事業費 第1款公共事業費 第1項公共事業費)

 関東地方建設局で、昭和22年度中に施行した利根川災害復旧工事の工事費として255,652,945円を支出しているが、この外に予算外に債務を負担し、支払未済となつたものが、総額39,733,020円ある。
 右は、22年9月災害による新川堤防等応急及び復旧工事を施行するに当り、予算を考慮せずに工事を請け負わせ、工事材料の計画数量を無視して、本局及び現場がおのおの無統制に多量の材料を購入し、又当初木工沈床の計画であつた新川堤防締切工事を打杭工法に変更したのに、これに即応して材料購入計画を変更しなかつたことなどに因るものであつて、当時急速に工事を施行するため、一時に労力及び資材を確保しようとした事情はあつたとしても、予算を無視して多額の債務を負担したのは妥当でない。いま、本件工事用として調達した材料の使用状況を見ると、その総額74,049,315円に対し、年度末残額は31,158,011円で、各種材料とも多額の残材料を保有し、その額は調達総額の約42%に上つている。ことに長期保管に耐えないそだ材について見ると、購入数量262,189束、その価額10,964,600円のうち、22年度内に使用したものはわずかに31,882束で、残余の230,307束、その価額9,281,420円は残材料となつている。