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  • 昭和22年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第3 内閣|
  • (元内務省及び建設院の分)|
  • 同 歳出

補助金の交付に当り措置当を得ないもの


(90)−(101) 補助金の交付に当り措置当を得ないもの

(第11部公共事業費 第1款公共事業費 第1項公共事業費)

 内務省で、昭和22年12月廃庁に当り、道府県に対して前年度以前に属する災害復旧工事費補助金34,555,604円を示達し、京都府外7県において公共団体たる府県に対しその全額を交付しているが、右は地方公共団体における工事施行の状況から見てその全額を交付する必要がなかつたもので、これらの事情を調査することなく漫然右全額を示達したため、本院会計実地検査の結果現在までに判明したところだけでも、左のとおり3,954,579円の補助超過となつている。


庁名 補助金交付額 補助超過額 摘要

(90)

京都府

1,630,237

1,329,663

補助工事は21年度までに完成し、300,574円を追加交付すればたりたもの
(91) 沖縄県事務所 581,186 581,186 補助の必要がなかつたもの
(92) 秋田県 660,259 546,462 補助工事は21年度までに完成し、113,796円を交付すればたりたもの
(93) 兵庫県 845,439 473,137 前年度までの補助不足額と22年度の施行予定額に対する補助金とを合わせ372,302円を交付すればたりたもの
(94) 熊本県 1,344,219 349,683 戦災のため資料焼失し、補助の要否が判明せず、その後の工事だけについて994,536円を交付すればたりたもの
(95) 奈良県 565,495 324,061 19年災害分だけについて241,434円交付すればたりたもの
(96) 広島県 285,392 285,392 戦災により資料焼失し、補助の要否が判明しないのに交付したもの
(97) 和歌山県 64,995 64,995 前年度までに既に補助金交付済のもの

5,977,222 3,954,579

(98)  岩手県で、昭和18年から20年までの災害に対する復旧工事費補助として公共団体たる県に対し、22年度中に11,448,230円を交付しているが、そのうち交付当時既にその必要のなかつたものが3,223,056円ある。
 右災害復旧工事に対し、22年度に交付すべき補助金は、21年度までの実施額に対する補助不足額1,347,063円と22年度中の施行予定額に対する補助相当額6,878,109円との合計額8,225,173円でたりたのに、たまたま内務省から前記11,448,230円の補助金の示達があつたので、漫然その全額を交付したため、交付当時すでに3,223,056円の補助超過を生じていたものである。

(99)  山口県で、昭和17年災害に対する復旧工事費補助として、23年4月公共団体たる県に対し2,484,000円を交付しているが、右補助金の対象たる災害復旧工事は,総工事費36,152,856円をもつて21年度中に完成し、これに対する補助相当額は31,400,316円であるのに、21年12月までに32,113,730円を交付したため、その当時既に713,413円の補助超過分があつたにかかわらず、更に前記金額を交付したものである。

(100)  山梨県で、公共団体たる県に対し住宅復興費補助として交付した6,606,725円のうち、補助超過となつたものが527,575円ある。
 右住宅復興費補助は、甲府市における280戸の庶民住宅建設費12,032,500円、同市外6町村における64戸の既存建物借上補修費692,700円、同市外12町村における62戸の余裕住宅改造費488,250円計13,213,450円について、その半額6,606,725円を国から補助することとし、補助金の一部4,281,522円を22年11月交付したところ、その後庶民住宅建設工事は計画戸数を完成したが、既存建物借上補修工事はこれを中止し、余裕住宅改造62戸分工事はうち17戸分だけを実施することに計画を縮小して工事費1,055,150円を減少したものであるから、23年4月補助金残額を交付するに当つては、計画を変更した分に対する補助相当額は当然これを減額しなければならないのに、3月末をもつて当初計画が全部完成したものとして補助金残額2,325,203円の全額を交付し、結局前記の補助超過をきたしたものである。

(101)  高知県で、高知市の庶民住宅建築補助として昭和22年9月から23年5月までの間に、公共団体たる県に対し4,125,000円を交付したものがある。
 右は、同市の庶民住宅165戸の建築工事に対して補助するものであるが、そのうち52戸の住宅建築工事は、年度内には全然着手せず、他の建築工事とは別に23年7月請負契約を締結したものであるから、右52戸分に対する補助相当額1,401,871円はこれを年度内に交付する必要はなかつたものである。