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  • 昭和22年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第4 大蔵省|
  • (終戦処理費関係の分)|
  • 一般会計歳入

概算払過渡額の徴収を遅延しているもの


(204)−(206) 概算払過渡額の徴収を遅延しているもの

(第3部雑収入 第1款雑収入 第13項雑入)

(204)  北海道庁特別建設事務所で、概算払工事費の過渡額に対し徴収を遅延しているものが64,131,812円ある。
 右は、昭和22年2月株式会社大林組外16名に請け負わせた真駒内連合軍兵器庫建設工事外19工事の契約総額90,683,493円の概算払として、4月に69,538,012円を支払つたものであるが、これら工事は着手後間もなく7月口頭命令により中止となり、9月には工事の既成部分を取りこわすなど整理も完了していたのであるから、当時の出来高によりすみやかに精算し、概算払のうち過渡となつたものの回収措置を講ずべきであるのに、23年5月正式中止の通告を受けるまで放置し、6月に至りようやく精算の結果過払額を64,131,812円と決定したが、8月本院会計実地検査当時なお徴収手続を講じでいなかつたものである。

(205)  千葉県で、概算払工事費の過渡額に対し徴収を遅延しているものが6,251,642円ある。
 右は、昭和21年12月終戦処理費支弁をもつて株式会社高野組に請け負わせた木更津飛行場補修工事の概算契約額48,500,000円の概算払として、同年12月から22年4月までの間に18,164,000円を支払つたのであるが、5月中止命令を受け、7月工事再開の見込がない旨を指示されたのであるから、すみやかに工事費の精算を行い、概算費の過渡となつたものの回収措置を講ずべきであるのに、そのまま放置し、23年3月に至りようやく精算して過渡額を前記6,251,642円と決定したが、11月に至るもなお徴収手続を講じていない。

(206)  鹿児島県で、概算払工事費の過渡額に対し徴収を遅延しているものが4,007,987円ある。
 右は、昭和21年11月終戦処理費支弁をもつて株式会社間組に鹿屋基地準備工事を概算額80,658,000円で請け負わせたところ、22年3月工事の中止を命ぜられたので、3月及び4月にその出来高を65%とし、その約70%に当る36,400,000円を支払つたものであるが、8月に至り精算の結果出来高が32,392,013円と確定し、前記4,007,987円が過払となつたものであるのに、23年4月本院会計実地検査当時なお回収の手続を講じていなかつたものである。