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  • 昭和22年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第4 大蔵省|
  • (終戦処理費関係の分)|
  • 同 歳出

前渡資金の経理が不良なもの


(228) 前渡資金の経理が不良なもの

(第19部終戦処理費 第1款終戦処理費 第1項終戦処理費)

 長崎県で、労務者給与支払のため佐世保公共労働安定所に資金を前渡したものがあるが、その経理は不良である。
 昭和23年9月本院会計実地検査において同所資金前渡官吏の現金保管高を調査したところ、現金出納簿等によれば、その現在高は22年度支払残高28,511,776円、23年度受領高1,000,000円、23年3月分労務者給与に対する所得税未払込金3,810,224円計33,322,001円でなければならないのに、その実際の保管高は31,633,172円で1,688,829円の不足を生じていた。これは資金前渡官吏が、その資金を22年4月から23年6月までの間に、労働組合事務専従者給料手当等として貸与し、又はほしいままに物品購入等に使用したものであるが、本件は給与支払の際控除した所得税を長期間払い込まなかつたばかりでなく、資金をほしいままに使用し、長期にわたりこれを返納しなかつたもので失当の措置である。
 又支出官たる知事は、23年4月から連合軍労務者の給与の支払は同所ではこれを取り扱わなくなつたのに、誤つて1,000,000円の資金を前渡したばかりでなく、前渡資金の回収を遅延している。
 なお、年件前渡資金の使途等については、帳簿書類が長崎地方検察庁佐世保支部に押収されているのでその内容が判明しない。