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  • 昭和22年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第4 大蔵省|
  • (大蔵省所管特別会計の分)|
  • 同 歳出

製塩設備補助金の交付に関し措置当を得ないもの


(242)-(248) 製塩設備補助金の交付に関し措置当を得ないもの

(款)専売局作業費 (項)作業費

(242)  専売局で、財団法人日本文化事業協会が千葉市稲毛町に施設した真空式電気製塩設備の設備費査定額12,169,055円に対し、補助金6,776,000円(うち21年度3,470,000円)を交付しているが、右査定額のうち(1)同協会が真空式機械製塩装置工事の請負代金の一部として日本油機製造株式会社に対し支払つたことに整理している1,069,000円は当該工事にこれを支払つた事実はなく、(2)せんごう工場の屋根瓦葺、左官工事等107,250円及びせんごう設備の各保温装置304,300円計411,550円は、23年7月本院会計実地検査当時なお施行していなかつたものである。右は、いずれも補助の対象から除外すべきものと認め注意したところ、右部分に相当する補助金約82万円を返還させる予定である旨回答があつた。

(243)  専売局で、朝日塩業株式会社が旧光海軍工場内に施設した枝篠架式製塩設備の設備費申請額18,739,675円に対し、15,533,000円を補助基本額とし、これに対する補助金として8,650,000円(うち21年度2,780,000円)を交付しているが、23年6月本院会計実地検査の際調査すると、実際支払額以上の金額を計上したもの及び設備資材の残材を差し引かずに計上したものなどが2,906,362円あり、一方遠心分離器等293,358円の申請もれがあつたので注意したところ、右誤査定分を再査定し、超過補助金約62万円を返還させる旨回答があつた。

(244)  専売局で、妙高企業株式会社が防府市外4箇所に施設した製塩設備の設備費査定額172,198,765円に対し、補助金95,890,000円(うち20年度2,000,000円、21年度59,280,000円)を交付しているが、前年度検査報告に掲記した事項の外なお左のとおり査定当を得ないものがある。

(1) 防府工場のせんごう設備建物新築工事の追加工事費として計上した190,000円は渤海土建株式会社に対する前渡金であるが、同会社が工事を全然施行しないため契約を解除し、20,000円に相当する資材を引き取り、右建物工事はこれを他会社に請け負わせ、その設備費を別途計上したものであつて、差引170,000円は渤海土建から返還させるべき金額であるのに、これを設備費として計上したものであり、

(2) 西戸崎工場(22年4月北九州製塩株式会社となる。)の加圧式設備上家工事費として367,500円を計上しているが、右は指定期限には未完成のものであるばかりでなく、22年10月本院会計実地検査当時その資材を利用して職員社宅を建築中のものであり、

(3) 指宿工場(22年4月南九州製塩株式会社となる。)の2号塩田のうち7,200平米、その設備費372,703円は22年10月本院会計実地検査当時なお未施行のものであり、
 いずれも補助の対象から除外すべきものと認め注意したところ、計910,203円に対する補助相当額約50万円はこれを返還させることとし、その手続中である旨回答があつた。

(245)  専売局で、日本海冷凍工業株式会社が石川県河北郡高松町に施設した冷凍式真空蒸発法併用による製塩設備の設備費査定額5,381,901円に対し、補助金2,987,000円(うち21年度551,000円)を交付しているが、査定額のうち揚水設備の加圧貯水塔1基、採かん設備の冷凍機1台、電気設備の電動機1台及びせんごう設備の電熱真空蒸発罐1基その他計775,213円は23年9月本院会計実地検査当時なお未完成のものであつたから、いずれも補助の対象から除外すべきものと認められる。

(246)  専売局で、鶴見炭素工業株式会社が横浜市鶴見区に施設した電気製堪設備の設備費査定額6,257,806円に対し、補助金3,485,000円(うち21年度2,130,000円)を交付しているが、右査定額のうちに主要変圧器2基の設備費として計上している1,350,000円の実際支払額は997,437円であるから、差額352,563円はこれを削減すべきものと認め注意したところ、当該部分に相当する補助金約19万円を返還させる旨回答があつた。

(247)  専売局で、西日本塩業株式会社が小倉市曽根に施設した入浜式塩田、真空蒸発罐式製塩設備の設備費査定額46,509,280円(申請額58,538,837円)に対し、補助金24,650,000円(うち21年度1,000,000円)を交付しているが、23年6月本院会計実地検査の際調査すると、採かん設備のうち沼井416個、927,680円、撒砂1,339・6立米、616,216円計1,543,896円は、期限までにはできていなかつたので、補助の対象から除外すべきものと認め注意したところ、7月右部分を控除して計算した場合の補助金と本件交付額との差額745,000円を同会社から歳入に納付させた。

(248)  高松地方専売局で、昭和21年12月松浦工業株式会社に対し、同会社が香川県松山村所在のその既設塩田の地先に、新規塩田18町歩余を築造する計画を許可し、その完成期限を23年2月末とし、設備費査定額23,295,295円に対する補助金16,306,000円の5割相当額8,150,000円を22年7月概算交付したものがある。
 右許可の直後に南海震災があり、そのため同会社の既設塩田は相当の被害を受け、事実上まずその復旧工事を施行しなければならない状況であつたもので、本件新規塩田の築造工事は22年2月着工以来遅々として進行せず、7月右補助金交付当時の出来高は、堤防工事と工場敷地工事の各2割程度に過ぎず、既設塩田の災害復旧工事もようやく4割程度の出来高であつて、その完成をまつて大部分を施行する予定の本件工事が、23年2月までに完成することの不可能であることは、補助金交付当時ほぼ判明していたものと認められるのに、漫然補助金の5割相当額を概算交付したものである。
 なお、本件工事は22年9月以降工事を全く停止し、且つ、補助金を他の事業に流用しているものもあると認められるのに、当局者は補助金返還の措置を遅延し、ようやく23年10月に至り、防波堤捨石経費、測量監督費など転用又は換価のできないものに支出した工事費2,137,015円に対する補助相当額1,495,000円を前記概算交付額8,150,000円から差し引き、6,655,000円だけを返納させることとした。