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  • 昭和22年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第10 運輸省|
  • 同 歳出

不用の物品を多量に購入したもの


(352) 不用の物品を多量に購入したもの

(昭和21年度)(用品勘定歳出 第1款用品及工作費 第1環用品及工作費)

 大阪鉄道局で、不用の物品を多量に購入したものが左のとおりある。

(1) 昭和21年3月から5月までの間に、入江某から購入した自動車修繕用部品類スプリングワツシヤー等約670品目、その代価8,630,470円は、そのほとんど全部を長期にわたり退蔵した上、半ば以上を不用品に組み替え他に売却している。右は緊急調達の必要があるとしてわざわざ二百数十口に分割し、即金払で購入したものであるが、22年3月までに使用したものはほとんどない状況で、当局者は購入に当り、約20%の使用不能品があつたが、分売に応じないため全量を購入したというが、使用不能品をも一括購入したのは措置当を得ないばかりでなく、22年3月購入総額の半ば以上に相当するフオードキヤツチング、スパナセツト等、その価額4,679,930円を省所有車の修理用には使用不能であり、且つ、その一部は腐蝕して使用の見込がないものとして不用品に組み替え、12月これを鉄道弘済会大阪支部へ89,988円で売却している実情に照らし、購入当初から当局者の説明する以上の使用不能品を包含していたと認めざるを得ない。

(2) 21年5月昭和電極工業株式会社から電気用熔接棒1、4粍もの50屯その代価1,428,500円をわざわざ百数十口に分割して購入し、7月これを東京鉄道局外7箇所へ保管転換しているが、22年度末までの使用状況を見ると、東京鉄道局では受入20屯に対し0.2屯を払い出しただけであり、名古屋、門司両鉄道局では受入各7屯を全部使用不能として不用品に組み替え、その他の鉄道局においてもわずかに2、3割程度をガス用等に使用しているに過ぎない状況である。同品は径が小さく鉄道本来の電気熔接用には使用できないもので、当局者は会社から2粍代用として一方的に配給してきたので、当時これを拒否すれば他の希望品の購入が困難となるためやむを得ず購入したというが、仮にこのような事情があつたとしても、使用し得ない物品を購入したのは措置当を得ない。
 なお、このように物品の購入措置が妥当でないもの等があつたため、固有鉄道事業特別会計においては22年度末現在約9億3800万円の使用不適格品又は跛行貯蔵品を保有するに至つている。