運輸省で、戦時中の用品の不整理及び特殊物件の緊急引取などによつて生じた死退蔵品のうち、処分見込額約1億200万円は、これを財団法人鉄道弘済会に一括売却する予定で、昭和22年度においては合計44,535,183円を売却している。このように同会を特に指名して多額の物品を売却するのは、その措置が当を得ないばかりでなく、同会は単に仲介機関として右物品をすべて他に転売するものであるにかかわらず、本件物品には不適格品かあり、且つ、加工運搬の諸経費を要するとして予定価格から20−80%の割引をしているが、このように高率の割引をする要はなかつたものと認められる。
なお、東京、大阪両鉄道局で、同会に対し鉄道高架下の未使用地全部を同会がこれに店舗等を施設することを条件として使用承認することとし、22年度末までに208,594平米を貸し付けているが、同会はそのほとんど大部分をそらまま転貸している。
又同会は各種事業を経営し、22年度中に約1億円に上る利益をあげているのであるが、国はこれに対し助成金1,500,000円を交付している状況である。