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  • 昭和23年度|
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  • 一般会計 歳入

国有財産の使用料が低価に失したもの


(309) 国有財産の使用料が低価に失したもの

(第2部官業及官有財産収入 第3款官有財産収入 第1項官有財産貸付料)

 広島財務局で、呉市所在元第十一海軍航空廠の土地13,567坪、建物2,613坪5、機械282台を昭和21年4月以降川南工業株式会社広製作所に使用させ、24年2月に21、22両年度分使用料として1,161,506円の徴収決定をしたものがある。
 右貸付施設の使用料は、大蔵省の定めた基準によつて算定するときは、両年度分2,581,145円となるものであるのに、その徴収決定に当つては会社の実際使用設備の範囲及び実際使用の日数を考慮して、利用減率を39%とし、軍工廠施設であつて工場配置が民営に適さないとして非能率減を14%とし、又本件機械が賠償指定のものであつて連合国軍の管理下におかれているので、その視察及び指示による手入などのための拘束率減を2%とし、計55%を右使用料見込額から減額して前記1,161,515円としたものであるが、軍工廠施設の特殊性及び連合国軍管理下にある実情などに照し、非能率減、拘束率減の事実はあるとしても、本施設は全工廠施設のうち同会社の利用計画上必要な限度のものだけを申請により貸付したものであるから、更に会社側の事情による利用度までも考慮して使用料を特に低価に決定する必要はなかつたものと認められる。