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  • 昭和23年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第5 大蔵省|
  • (終戦処理費関係の分)|
  • 一般会計 歳出

ガス供給契約に当り処置当を得ないもの


(366) ガス供給契約に当り処置当を得ないもの

(第18部終戦処理費 第1款終戦処理費 第2項終戦処理事業費)

 特別調達庁で、昭和23年度中に、東京瓦斯株式会社に対し代々木地区連合国軍家族住宅及び附属施設に対する暖房及び厨房ガス50,043,165立米の供給料金として265,823,836円を支出したものがある。

 代々木地区の施設には、22年4月供給開始当初からガス計量器の設備がないので実際のガス消費量を計量できないため、各住宅及び附属施設に設備されたガス器具の1時間の標準使用量と推定使用時間とを基準として、住宅1戸当りの1日消費量を算出し、23年4月から6月まで及び10月は120立米4、7月から9月までは82立米6、11月は195立米5、12月から24年3月までは245立米5と協定したもので平均1日158立米5に当つているが、この協定量は、ガス計量器の設備されている東京B地区(警視庁裏)及びC地区(元閑院宮邸跡)並びに名古屋地区(アメリカ村)における23年度中の住宅1戸当りの1日平均消費実績が45立米75から54立米6程度であるのにくらべると約3倍に当つている。

 しかし、各地区の設備に多少の差異はあるとしても、消費量においてこのように著しい差があるものとは認められないから、他地区の消費実績を調査しこれを参しやくして協定を行うべきであるのに、このような過大な協定を継続していたのは処置当を得ない。

 その後、本地区においては24年6月連合国軍の指示により、計量器によつて実際消費量を計算することとなり、住宅24戸にこれを取り付け1日の消費量を計量した結果、1戸につき6月は27立米3、7月は19立米3であり、又同時期に一般への供給をしや断して本地区への供給量を試験計量した結果は、1戸につき26立米4及び30立米1に過ぎなかつたため、前記協定量を4分の1程度に減量した状況である。

 なお、東京瓦斯株式会社のガス供給総量について見ると、21年1月から22年2月までの間は1箇月平均送出量10,505,214立米に対し、消費者負担量を差し引いた計算漏えい量は4,092,643立米であつたものが、本地区に対する供給を開始した22年4月から24年3月までの間は、1箇月平均送出量20,562,995立米に対し、計算漏えい量は2,406,019立米に減少し、さらに前記試験計量の結果協定量を減量した同年6月から8月までの間には、1箇月平均送出量23,333,700立米に対し、計算漏えい量はふたたび3,385,975立米と増加している状況であつて、計量器を設備しないまま本地区に供給していた期間の計算漏えい量が著しく減少している事実から見ても、本件協定消費量は過大であつたものと認めざるを得ない。