(第18部終戦処理費 第1款終戦処理費 第2項終戦処理事業費)
特別調達庁で、昭和22年12月帝産オート株式会社にサービスバス運営の役務を請け負わせ、23年度中の料金として276,023,810円を支出したものがある。
右は、東京地区における連合国軍使用のためのバス100台を運営させ、1日拘束18時間と定め全車両に対し1日18時間分の料金を支払うこととし、実走行時間、実走行割増時間及び待機時間に区分し、その料金は物価庁認可の貸切制バス料金1日貸(8時間)4,500円、超過実働1時間560円、待機1時間340円を適用して支払つたものであるが、走行粁数が多いと認められる24年3月分の支払額について見ると
1日貸(定時8時間)の分 | 3,100台(24,800時間) | 単価4,500円 | 13,950,000円 |
超過実働の分 | 16,864時間 | 〃 560円 | 9,443,840円 |
待機の分 | 14,136時間 | 〃 340円 | 4,806,240円 |
計 | 28,200,080円 |
となつている。しかして
(1) 右支払額の内訳によれば延走行時間は41,664時間で、100台の車両が毎日約13時間半を走行したこととなり著しく過大と認めたので、その3月分ガソリン消費量を調査したところ、実績は37,577ガロン(142,245立)で、これに基き物価庁認可価格算出基準の1立当り走行粁数2粁75の2割増3粁31時間走行19粁2)として走行時間を計算すると32,198時間(実働時間中2時間半の走行停止時間を見込む。)で、定時8時間の分を控除すれば超過実働時間は7,398時間となり、本件支払において16,864時間としたのは著しく過大といわざるを得ない。
(2) 又、待機の料金について見ると、本件バスの待期時間は拘束18時間から実働時間を差し引いた全時間であつて、一般の待時間と著しく趣を異にしているものであるから、本件に対し一般の待料金をそのまま適用したのは適当の処置ではない。現に当局者は本院の注意により計算した結果160円を相当と認めている。
今仮りに、右の計算により支払を要する額を見るときは左のとおり
1日貸(定時8時間)の分 | 3,100台(24,800時間) | 単価4,500円 | 13,950,000円 |
超過実働の分 | 7,398時間 | 〃 560円 | 4,142,880円 |
待機の分 | 23,602時間 | 〃 160円 | 3,776,320円 |
計 | 21,869,200円 |
となり、前記支払額28,200,080円にくらべ6,330,880円(支払額の約22%)の減額となり、本件総支払額について見るときは約6000万円節減することができた計算となる。
なお、本件と同様の計算で料金を支払つたものが左のとおりある。
庁名 | 会社名 | 23年度支払額 | 提供 | 台数 |
特別調達庁 | 国際自動車株式会社 | 107,683,836円 | 各地区観光ホテル | 35台−50台 |
国際興業自動車株式会社 | 75,224,049円 | 同 | 25台 | |
イースタンモータース株式会社 | 60,099,580円 | 横浜地区 | 20台−30台 | |
同名古屋支局 | 帝産オート株式会社 | 34,316,929円 | 名古屋 | 7台 |
岐阜 | 5台 | |||
同大阪支局 | 関西帝産オート株式会社 | 91,648,880円 | 神戸 | 15台 |
大阪 | 20台 |