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  • 昭和23年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第5 大蔵省|
  • (終戦処理費関係の分)|
  • 一般会計 歳出

冷蔵倉庫借上料の支払に当り処置当を得ないもの


(374)−(375) 冷蔵倉庫借上料の支払に当り処置当を得ないもの

(第18部終戦処理費 第1款終戦処理費 第2項終戦処理事業費)

(374)  兵庫県で、川西倉庫株式会社に対し、昭和23年度中の冷蔵倉庫借上料として92,259,399円を支出したものがある。
 右は、連合国軍の専用に属する冷蔵倉庫A級4,456立坪62、B級365立坪2計4,821立坪82の借上料であつて、冷蔵倉庫坪貸料金の統制額を適用して協定したものであるが、本件冷蔵倉庫は全面接収で、軍の専用施設に属し冷蔵物件の出し入れはすべて軍で行い、会社は冷蔵倉庫の維持管理を行つてはいるが、冷蔵物件の出し入れに対する労力費及びこれに件う事務費などは全くいらない状況で、一般冷蔵倉庫業者の経営状態とは大いにことなつているのであるから、このような条件の下にある冷蔵倉庫の借上に対しては、一般の冷蔵倉庫料金の統制額をそのまま適用すべきでなく、相当値引きの余地があつたものと認められる。
 なお、本件と同様の事例が左のとおり6件ある。

庁名 倉庫種別 容積 23年度支出額 契約者
特別調達庁
A
立坪
905.20

22,103,429

日本冷蔵株式会社
B 256.00
A 233.89 5,409,803 葛原工業株式会社
B 59.14
B 193.00 1,495,832 日本冷蔵株式会社
特別調達庁横浜支局 A 406.20 7,943,677
同大阪支局 A 872.29 30,012,049 宝船冷蔵株式会社
B 863.34
同呉支局 A 276.80 5,652,945 日本冷蔵株式会社
B 120.70

(375)  山形県で、昭和23年9月山形製氷工場に対し連合国軍に提供した冷蔵倉庫44立坪4279の使用料として1,308,111円を支出しているが、右のうち72,861円は冷蔵倉庫使用の坪借統制価格で算出した4、5、6月分使用料で、又1,235,250円は冷蔵倉庫借上に伴う特殊設備使用料の4、5月分である。
 この特殊設備使用料は、前記冷蔵倉庫借上使用及び別に調達要求されている氷の納入に伴い製氷施設の運転を要するところ、連合国軍使用冷蔵倉庫用としては約3屯、又連合国軍への氷納入のためには約2屯計約5屯の能力があればたりるのにかかわらず、設備の関係で日産15屯のもの全体を運転使用することを要し、残りの約10屯分は氷を一般販売用として処理することができる6月から9月までの間を除き空転することになるので、この空転作業分に対する経費として10屯分の氷の販売業者販売価格相当額4月分607,500円、5月分627,750円(氷1貫当り7円50を基準とする。)を支払つたものである。
 しかし、同工場は右連合国軍調達業務開始以前から4月及び5月は一般販売用の製氷作業を中止していたものであるから、このような場合は、製氷を行い販売したものとして販売業者販売価格で支払をする必要はなく、単に施設空転分についての所要経費を支払えばたりるものであり、多くとも生産者販売価格相当額4月分243,000円、5月分251,100円(氷1貫当り3円を基準とする。)をこえて支払うべきではない。