(第18部終戦処理費 第1款終戦処理費 第2項終戦処理事業費)
特別調達庁大阪支局で、昭和23年6月岩井産業株式会社外4名から購入した丸釘11,695樽の代金として17,304,375円を支出したものがある。
右は、契約当時の丸釘統制額の卸売業者販売価格により9,063,490円を契約金額とし、統制額が改訂されたときはこれを更改することがあるとの条件で、各半数ずつの納期を6月30日及び7月10日として契約したものであつて、7月1日に丸釘の統制額が改訂されたため、改訂日以降の納品については新価格を適用して前記の17,304,375円に契約金を更改したものであるが、その納入実績を見ると半数の納期である6月30日までに納入されたものは510樽(納入予定量5,847樽の約9%)に過ぎない状況であるのに、当初の納期を考慮せず、納入遅延分についても納入実績に応じて新価格を適用したものである。
当局者は、7月10日ごろに業者から電力事情の悪化、見本品検査合格手続の遅延等を理由として7月31日までの納期延長の申請があつたのに対し、9月に至つてこれを追認しているが、24年8月本院会計実地検査の際調査したところによれば、当時特別に電力事情が悪化していたものとは認められず、見本品検査承認書受領は大半6月6日であり、且つ、各業者が6月中に生産を完了した4,863樽のうちから、特別調達庁大阪支局の検査を受けて合格したものだけでも4,211樽に上つている状況などに徴し、納期を延長し納入遅延分に対して新価格を適用する必要はなかつたもので、処置当を得ない。
今仮に、6月中に検査に合格した4,211樽を直ちに納入させ旧価格で購入したとすれば、約260万円を減少することができたものである。