終戦連絡中央事務局、内務省及び外務省で、連合国財産返還梱包用木材の経理に関し、未納の分に対して代金、保管料を支払い、更に売渡の整理をするなど処置当を得ないものがある。
右は、終戦連絡中央事務局で、昭和22年6月秋田木材株式会社深川支店に木材45,500石の買付、輸送、保管等を請け負わせ、7月中に全量納付されたこととして、本件業務の実施担当者である内務省調査局長名の検収調書により同月右45,500石の公定価格による代金相当額20,556,106円を支払つたが、木材は七月以降10月までに順次34,125石を納入されたにとどまり、7月木材の公定価格が70%の値上りとなつたため、同会社は契約全量を納入せず、結局右納入量との差11,374石は未納のままとなつたものである。
しかるに、終戦連絡中央事務局及び内務省においては右木材の保管をすべて納入者に委託し、実在数量を45,500石として22年7月から10月までの輸送、保管等の経費11,213,386円(うち架空木材に対する支払分3,184,689円)を支払い、又本件事務を引き継いだ外務省においては24年3月に至り梱包用として使用したもの及び現に完全材として保管中のものを除き、前記未納の分を含め30,363石を腐しよく材として同会社に7,383,011円で売り渡し、別に保管料として、45,500石に対し、22年11月から23年3月までの全額3,049,556円、又4月から24年3月までの内払額3,219,247円計6,268,803円を支払つている。
要するに、本件は納入事実のない木材について代金及び保管料を支払い、更にこれを売り渡すなど処置当を得ないものである。