文部省で、昭和23年度中に各都道府県に対し義務教育費国庫負担法に基き、小、中学校教育費国庫負担金及び同教員給与費補助金として、23年度分概算交付額13,557,883,689円及び22年度分精算追給額949,512,925円を支出したものがある。
右は、公立の小学校及び中学校の義務教育に従事する職員の俸給、特別加俸、死亡手当、旅費、扶養手当、勤務地手当、退官又は退職手当及び日直、宿直手当を支給するため、都道府県において要する経費の半額を年4回に概算交付し、又前年度の不足分を精算交付したものであるが、文部省がその交付額決定の基礎資料として採用している各都道府県からの経理に関する報告書の内容を調査すると、実際支払額以上の金額が計上されているものがあり、又そのうちには国庫負担の対象とならない職員すなわち事務員の外、事務だけに従事している教員及び職員組合の事務に専従している教員等に対して支給している俸給、給与等を算入しているものが少くない状況である。
現に、本院会計検査の結果は判明したものだけでも、各都道府県の報告書には前記の事務職員等に対する給与額を算入しているものが左表のとおり、22年度分において東京都外34府県で合計48,169,238円、23年度分において東京都外38道府県で合計175,443,901円あり、これに対する国庫負担相当額は22年度分24,084,619円、23年度分87,721,950円となるが、これは交付の必要のない金額であるのに事情を精査しないで、各都道府県から提出された報告書の計上額によつて負担金を算定交付したもので、その処置当を得ない。
都道府県名 | 昭和22年度 | 昭和23年度 |
北海道 |
円 | 円 7,935,564 |
青森 | 7,778,623 | 6,586,465 |
岩手 | 1,345,256 | 7,516,975 |
宮城 | 1,101,834 | 4,366,443 |
秋田 | 1,077,276 | 709,897 |
山形 | 2,284,449 | 3,288,689 |
福島 | 1,675,527 | 5,749,048 |
茨城 | 2,262,989 | 4,380,258 |
栃木 | 143,460 | |
群馬 | 1,455,743 | 870,515 |
埼玉 | 401,066 | 3,453,869 |
千葉 | 901,656 | |
東京 | 3,808,680 | 14,222,287 |
新潟 | 989,096 | 2,145,932 |
富山 | 214,090 | 7,667,037 |
石川 | 1,501,509 | |
山梨 | 318,653 | 1,484,883 |
長野 | 333,847 | 3,047,227 |
岐阜 | 232,436 | 1,841,657 |
静岡 | 1,365,533 | 8,690,286 |
愛知 | 277,854 | |
三重 | 993,396 | 8,523,919 |
滋賀 | 226,209 | 1,652,461 |
京都 | 2,266,359 | 7,552,812 |
大阪 | 1,169,819 | 10,314,541 |
兵庫 | 1,328,521 | 6,079,176 |
奈良 | 468,205 | 1,005,558 |
和歌山 | 2,301,529 | 6,772,537 |
鳥取 | 874,464 | 6,803,778 |
岡山 | 344,707 | 1,163,261 |
広島 | 729,480 | |
徳島 | 219,590 | 1,093,626 |
香川 | 611,176 | 1,888,368 |
愛媛 | 3,062,551 | 5,359,022 |
高知 | 1,267,723 | 4,488,231 |
福岡 | 1,035,526 | 4,150,336 |
佐賀 | 1,166,964 | |
長崎 | 742,925 | |
熊本 | 1,515,167 | |
大分 | 245,125 | 2,340,542 |
宮崎 | 3,786,260 | 15,756,528 |
鹿児島 | 886,115 | |
合計 | 48,169,238 | 175,443,901 |