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  • 昭和23年度|
  • 第5章 不当事項|
  • 第2節 所管別事項|
  • 第10 運輸省|
  • 国有物件

未契約のまま車両を製作納入させたもの


(545) 未契約のまま車両を製作納入させたもの

 運輸省鉄道総局で、昭和23年度中に契約も締結しないで日本車輌製造株式会社外11名に製作又は改造させ受け入れた車両が、本院会計実地検査の結果判明したものだけでも客車101両、貨車904両、電車143両、機関車36両計1,184両価額1,300,193,077円ある。
 これに対し、当局者は23年7月の物価改訂により年度当初計画数の車両の購入ができなくなつたので一応購入数を改訂したが、改訂計画数では23年度の輸送量に対処できないので、所要予算の追加を要求したが承認に至らなかつたところ、一方車両会社は当初計画の生産を継続したばかりでなく、生産設備を遊ばせないために当初計画の車両生産をも行つたため、契約未済の落成車両が多数生じ、これをそのまま工場に留置することは、工場作業上からも車両保存上からも又国家経済上からも不利であるとして、これら落成車両の使用方を道当局に申し入れてきたので、輸送力不足の現状を考慮してこれを引きとつて使用したものであるというが、未契約の車両を受け入れ使用したのは処置当を得ない。
 なお、国有鉄道事業特別会計全体で未契約のまま23年度内に物件を受け入れたものは、前記のものをあわせ約20億1700万円に上つているが、そのうち約16億7400万円は年度内に払い出してしまつた状況であり、又契約に基き貯蔵品が納入されたにもかかわらず、支払資金不足のためその検収を留保したものは約16億1500万円に上り、そのうち約2億8800万円は年度内に使用している状況である。