(第10部公共事業費 第1款公共事業費 第2項事業費)
東北外4地方建設局で、昭和23年度中に予算に積算のない営繕工事を施行したものが左表のとおりある。
右は、河川改修、砂防、国道改良、災害復旧等の事業費として経済安定本部の認証を経たものの一部を本局に留保して、事業に直接関係のない本局職員等宿舎の新増築を施行したものであるが、本件のような新営費はこれら事業費には積算されていない。
地方建設局 | 工事名 | 数量 | 金額 | ||
(577) |
東北 |
職員宿舎新築工事 |
棟 3 |
坪 51.75 |
円 660,000 |
(578) | 関東 | 職員宿舎新築又は移築工事 | 25 | 618.37 | 10,802,920 |
(579) | 中部 | 職員宿舎新築及び附帯工事 | 10 | 425.49 | 6,734,950 |
(580) | 中国四国 | 職員宿舎新築工事 | 1 | 175 | 1,927,000 |
(581) | 九州 | 職員宿舎購入及び移増築工事 | 9 | 253.67 | 3,900,200 |
計 | 48 | 1,524.28 | 24,025,070 |
(582)
東北地方建設局で、昭和23年度中に最上川改修工事費21,160,710円のうちから、庁舎1棟80坪6及び職員宿舎等5棟176坪3の新築工事費として2,057,142円を支出したものがあるが、本改修工事費にはこのような経費は積算されていない。
なお、本件改修工事に関し、地元農業協同組合等の立替によつて工事を施行し2,025,861円の予算外債務を負担し、これを24年度予算から支出したものがある。
(583) 東北地方建設局で、昭和23年6月及び11月に東京三綿株式会社から折えり乙号国民服型の混紡被服1,472着を803,634円で購入しているが、右被服を貸し付けることのできる職員の範囲は限定されているにもかかわらず、その範囲を逸脱して全職員に無償で貸し付け、1年後にはこれを譲与することとしたもので、その処置当を得ない。
(584)
関東地方建設局で、昭和23年度中に渡良瀬川上流改修工事費として24,049,837円を支出したものがある。
しかして、工事の実績を経済安定本部の認証を受けた計画とくらべると、本工事費は築堤54,600立米分、掘さく58,100立米分、護岸9,340平米分計15,000,000円の計画に対して、その実績は築堤37,564立米(約69%)分、掘さく54,486立米(約93%)分、護岸3,440平米(約36%)分計11,796,380円を実施したに過ぎないのに、附帯経費は計画額9,500,000円に対しその支出額は12,253,456円で、差し引き2,753,456円は本工事費から流用したものであるが、このように本工事を計画どおりに実施していないのに、附帯経費を当初計画額をこえて多額に使用しているのは予算の使用当を得ない。
ことに、附帯経費のうちには予算の積算がない職員宿舎5棟延86坪1を1,328,240円(官給材料9,584円を含む。)で新築し、又乗用自動車1台を530,000円で購入したものがある。
(585)
関東地方建設局で、昭和23年度中に富士川改修工事費として5,500,000円を支出したものがある。
しかして、工事の実績を経済安定本部の認証を受けた計画とくらべると、本工事費は築堤10,500立米分、掘さく26,300立米分、護岸507米分計4,550,917円の計画に対して、その実績は掘さく16,216立米、(約61%)分、護岸147米(約29%)分計2,050,137円であり、築堤は全然実施されていないのに附帯経費は計画額949,082円に対しその支出額は3,449,863円で、差し引き2,500,781円は本工事費から流用したものであるが、このように本工事を計画どおりに実施していないのに、附帯経費を当初計画額をこえて多額に使用しているのは予算の使用当を得ない。
ことに、附帯経費のうちには予算の積算がない職員宿舎5棟延72坪を1,059,650円で新築したものがある。
(586)
中国四国地方建設局で、昭和23年12月から24年3月までの間に広島市十川某外2名からトラツク4台を購入し、その代金として2,078,917円を支出したが、4月30日その代金相当額を歳出の金額に戻入したものがある。
右トラツクのうち、3台は同建設局並びに広島及び島根西部両工事事務所で使用中であるのに、その代金相当額1,542,898円については当初支出した施設費(目)に戻入の上、そのうち1,308,249円を賃金(目)に流用して雇員給の不足分を補つたものであるが、既に納入された物件の代金を返納させたばかりでなく、これを大蔵大臣の承認も経ないで賃金に流用し、しかも支払計画額を超過した雇員給の支払にあてたのは処置当を得ない。
又、他の1台は東山口工事事務所で使用中であるが、その代金相当額536,019円についても、那賀川工事事務所の工事費に不足をきたしたとの事由で、既に支払つたものを返納させてこれを工事費に使用したもので、当を得ない。
右の外、同建設局で23年12月岡山市大本某から旭川改修護岸工事用割石5,000個を購入し、その代金255,000円を支出したが、年度末に至り本改修工事費が255,000円の支出超過となつたため、24年4月に右割石を前記大本某に返還し代金を返納させ、歳出の金額に戻入したものがある。