各公団の昭和23年事業年度前期分及び後期分の財産目録、貸借対照表及び損益計算書を検査した結果、妥当でないと認めた事項のうち主なものは左のとおりである。
(618) 石油配給公団
石油配給公団は、昭和24年4月1日解散することとなり、解散当時の在庫商品を日本石油株式会社外10名の石油元売業者に売り渡すこととしたが、その商品在庫高と同商品の元売業者に対する引渡高(代金請求済高)とが左表のとおり符合せず、清算事務として調査中であるが、11す末現在まだその事由が明らかでない。
種別 | 商品在庫高 | 元売業者へ引渡高 (代金請求済高) |
差引不符合高 |
揮発油 | 39,856,099立 | 37,829,889立 | 2,026,210立 |
灯油 | 9,930,661〃 | 10,183,061〃 | △252,399〃 |
軽油 | 24,541,457〃 | 24,306,960〃 | 234,497〃 |
重油 | 119,484,405〃 | 119,406,046〃 | 72,359〃 |
機械油 | 29,855,505〃 | 28,960,658〃 | 894,846〃 |
グリース | 4,467,865瓩 | 3,373,169瓩 | 1,094,695瓩 |
副生物 | 9,176,643〃 | 6,555,070〃 | 2,621,572〃 |
計 | 223,668,129立 | 220,692,615立 | 2,975,514立 |
13,644,509瓩 | 9,928,240瓩 | 3,716,268瓩 |
備考 商品在庫高には24年4月以降受け入れた重油4,469,638立を含む。
(619) 繊維貿易公団
繊維貿易公団で、昭和23年4月に将来大蔵省国有財産局に購入してもらう見込で、東京物産株式会社(8月近畿織布株式会社と改称)と中央区築地所在の土地349坪27及び建物延255坪を12,500,000円で購入する仮契約を結び8月までに11,500,000円を支払つたところ、相手方が引渡義務を完了しなかつたことなどのため8月16日に契約を解除し、支払額のうち1,500,000円の返還を受け、その後12月になつて更に1,000,000円の返還を受けたが、残りの9,000,000円は未回収のままとなつているものがある。
公団は建物を所有することができないのに、国費による購入を見越してこうした仮契約を結び多額の金額を支払い、契約解除後もその大部分が未回収となつているのは当を得ない。
なお、本件売買契約解除後9月30日に前記建物の賃貸借契約を結び、10月に敷金として2,500,000円を前記会社に納めているが、右のように多額の回収を要する金額があるのに、更に別途敷金を支払つたのは当を得ない。
(620) 食糧品配給公団
食料品配給公団砂糖局で、昭和23事業年度後期の決算に当り国庫に納付すべき剰余金348,526,011円を価格調整勘定に留保したものがある。
右剰余金は当期中の砂糖局事業運営費の実績が販売砂糖1ピクル当り181円12であつたのに対し、価格構成上砂糖局の事業運営費として認められたマージンが1ピクル当り383円33であつたために生じたものであつて、当然当期剰余金として国庫に納付しなければならないのに、将来砂糖の販売のために生ずる虞のある損失を補てんするためにこれを留保したのは当を得ない。