ページトップ
  • 昭和28年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第4節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第2 総理府|
  • (保安庁)

(一般会計)


(一般会計)

 昭和28年度における保安庁関係の支出済額は628億5千8百余万円で、257億1千5百余万円を翌年度に繰り越し、14億8千5百余万円を不用額としている。繰越額の多いのは、器材類の仕様書の調整に不測の日数を要し、その調達計画が予定どおり進まなかったことと、施設関係において土地の選定入手および船舶の設計に予想外の日時を要したことなどによるものであり、不用額の多いのは、主として職員の充足が遅延したことによるものと認められる。
 本年度の検査においては、一応その重点を394億円を占める物資器材の調達に置いて実施し、およそその40%について価格、品質、規格等を詳細に検討し、あわせて調達の機構および方法についても注意を払った。その検査の結果は、別項(24−47) に記載したとおりであって、価格の算定、規格の決定、購入数量、検収方法等について遣憾な事例が第一幕僚監部に多く見受けられる。
 このような事態の発生する原因についてはそれぞれ各別に記述するが、保安庁の物資の調達等に要する予算が多額であることにかんがみ、この種不経済事項の絶滅を期することが望ましい。特に物資の調達計画の立案当務者は編成装備表によって作業を実施しているようであるが、部隊等の編成の実情とこれに対応する必要物資の規格、数量等基本的な事項について必要な再検討を加えることが肝要であり、他方、調達の実施当務者は連絡を緊密にし、部隊等の現状を十分には握して実情に適応する調達を行うことに留意を要するものと認められる。