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  • 昭和30年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第4 大蔵省|
  • (一般会計)|
  • 是正させた事項|
  • 租税

租税の徴収過不足を是正させたもの


(111)−(677) 租税の徴収過不足を是正させたもの

 (部)租税及印紙収入 (款)租税

 国税収納金整理資金

 租税の徴収過不足をきたしていたものに対し、本院会計検査の結果是正させたものは、過不足の税額1事項10万円以上のもので集計すると別表第2のとおり567件徴収不足437,941,471円、徴収過12,739,680円であって、これを態様別にみると次のとおりである(各項末尾の( )内の数字は別表第2に掲記した番号を示す。)。

(1) 個人の取引関係等の調査不十分なもの 139件 徴収不足 90,737,440円

(111)−(249)  右は、麹町ほか118税務署(別表第2(1)参照) で、所得税、相続税等の個人課税において、

(ア) 国もしくは法人等との取引関係または所有権移転登記等の調査不十分なため、不動産所得、事業所得、譲渡所得、再評価差額等に対する課税漏れをきたしたもの(111)−(201)、

(イ) 法人税、物品税等の関連資料の調査不十分なため、配当所得、不動産所得、事業所得等の課税漏れをきたしたもの(202)−(224)、

(ウ) 会社の設立資金、不動産買得資金、貸付資金等の出所の調査不十分なため、事業所得、譲渡所得、受贈財産等の課税漏れをきたしたもの(225)−(233)などである。

(2) 法人の経理内容等の調査不十分なもの 92件 徴収不足
徴収過
149,696,410円
4,247,070円

(250)−(341)  右は、麹町ほか72税務署(別表第2(2)参照) で、法人税の課税において、

(ア) 国または法人との取引関係等の調査不十分なため収入金の計上漏れをそのままにしていたもの(250)−(260)

(イ) たな卸資産の評価減に対する処理を誤ったもの(261)−(264)

(ウ) 未確定経費、過大に計上した債務等を否認せず、または確定した経費の損金計上漏れをそのままにしていたもの(265)−(275)、

(エ) 役員報酬または役員賞与に対する処理を誤ったもの(276)−(282)

(オ) 資本的支出、繰延資産等に対する処理を誤ったもの(283)−(288)

(カ) 確定した事業税について損益の処理を誤ったもの(289)−(292)

(キ) 債権償却引当金に対する処理を誤ったもの(293)−(308)

(ク) 回収可能の債権を貸倒れとして処理したもの、または貸倒れが確定している債権を誤って否認したもの(309)−(316)

(ケ) 前期以前の否認金等に対する当期の処理を誤ったもの(317)−(330) などである。

(3)法令の適用を誤ったもの 155件 徴収不足
徴収過
88,069,230円
8,492,610円

(342)−(496)  右は、麹町ほか99税務署(別表第2(3)参照) で、法人税等の課税において、

(ア) 損金に計上された法人税または犯則者納金を否認しなかったもの(342)−(344)

(イ) 非青色申告法人について貸倒準備金、特別修繕引当金、退職給与引当金もしくは価格変動準備金を是認し、または青色申告法人についてこれらの繰入限度額を誤り、もしくは法定の要件をみたしていないのにこれらを是認したもの(345)−(373)

(ウ) 欠損繰もどし済の金額を繰越欠損金として控除したもの、または繰もどし未済の金額を控除しなかったもの(374)−(379)

(エ) 繰越欠損金の控除において、非青色申告法人と青色申告法人との区分または経過規定の適用を誤り、控除することができないものを控除し、または控除すべきものを控除しなかったもの(380)−(403)

(オ) 欠損繰もどし控除において非青色申告法人と青色申告法人との区分もしくは繰りもどすことができる金額を誤り、または法定の要件をみたしていないのにこれを是認したもの(404)−(422)

(カ) 利益配当金等の益金不算入に関する処理を誤ったもの(423)−(428)

(キ) 交際費の損金不算入に関する処理を誤ったもの(429)−(431)

(ク) 積立金額または留保金額の課税において経過規定の適用もしくは非同族会社と同族会社との判定を誤ったもの、または同族会社と判定しながら課税しなかったもの(432)−(447)

(ケ) 非青色申告法人について輸出所得の特別控除を認め、または青色申告法人についてその控除額を誤ったもの(448)−(451)

(コ) 貸倒準備金の取くずしをすべき場合に取くずしをしていないのにこれを是認したもの(452)−(462)

(サ) 過少申告加算税額または重加算税額を徴収すべきであるのにこれをしていないもの(463)−(475)

(シ) 同族会社の行為または計算に対する処理を誤ったもの(476)−(481)

などである。

(4)課税資料についての通報連絡または活用の不十分なもの 114件 徴収不足 73,685,869円

(497)−(610)  右は、麹町ほか102税務署(別表第二(四)参照) で、所得税等の課税において、

(ア)法人税の課税上生ずる認定賞与、認定配当または資産の譲渡による法定再評価の結果生じた譲渡所得、山林所得の資料について税務官署間または署内各課係間の通報連絡をしなかったもの(497)−(585)

(イ) 署内の調査資料または他署から送付された取引資料等を十分活用しなかったもの(586)−(608)

(ウ) 他税務官署に関係のある課税資料についての通報連絡をしなかったもの(609)(610)

である。

(5)源泉徴収所得税に関する調査不十分なもの 30件 徴収不足

25,535,211円

(611)−(640)  右は、日本橋ほか27税務署(別表第2(5)参照) で、

(ア) 配当、給与または報酬に対する源泉徴収所得税について徴収義務者の納付未済のものに対し強制徴収をしていなかったもの(611)−(629)

(イ) 納付額に対する監査不十分なため納付不足のあるもの(630)−(639)

(ウ) 正当の事由がなく納付が遅延していたのに源泉徴収加算税を徴収していなかったもの(640)

である。

(6)その他の過誤によるもの 37件 徴収不足 10,217,311円

(641)−(677)  右は、横浜、神戸両税関、麹町ほか30税務署(別表第2(6)参照) で、

(ア) 法人税等の課税標準額または税額の算出にあたって誤算したもの(641)−(650)

(イ) 積立金額または留保金額の課税において同族関係者についての調査不十分なため同族会社を非同族会社と誤ったもの(651)(652)

(ウ) 法人税の課税上社外流出の認定賞与と処理すべきものをしなかったため源泉徴収所得税の課税漏れとなったもの(653)−(668)

(エ) 物品税の課税標準額の決定を誤ったもの(669)(670)

(オ) 輸入免税をしたものについて用途外使用の事実があるのに課税しなかったもの(671)(672)

などである。