昭和32年度における防衛庁関係の支出済歳出額は1119億8千6百余万円で、94億7千2百余万円を翌年度に繰り越し、32億1千1百余万円を不用額としているが、前年度に比べで繰越額は141億8千8百余万円、不用額は28億3千2百余万円減少している。
検査の結果によると、工事の施行については、予定価格の積算が実情と遊離し減額することができる工事費を看過している傾きがあり、物資の調達については、規格の選定が適切でなかったため使用目的に適しないものを購入するなど不経済な結果となったり、予定価格を過大に積算しひいて購入価額が高価となっているなどの事例が見受けられた。
このような事態については、工事の施行、物資の調達を通じて各部門間の十分な協力と緊密な連絡のもとに実情に即応した実施計画、設計、規格を作成するよう留意し、経費の使用効率を高めるよう一層の配意が必要と認められる。