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  • 昭和32年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第2 総理府|
  • (防衛庁)|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 物件

不用の工具研ま盤および平面研ま盤を購入しているもの


(16) 不用の工具研ま盤および平面研ま盤を購入しているもの

(組織)防衛庁 (項)防衛庁

 防衛庁調達実施本部で、航空幕僚監部の要求により、昭和32年度中に、指名競争契約により株式会社大隈鉄工所代理東京産業株式会社ほか2会社から万能研ま盤9台を単価1,800,000円価額16,200,000円、工具研ま盤5台を単価1,395,900円価額6,979,500円および平面研ま盤9台を単価2,042,000円価額18,378,000円総額41,557,500円で購入しているが、調達計画の作成にあたり機械の機能および作業内容等の調査検討が不十分であったため必要のない工具研ま盤および平面研ま盤を購入する結果となり、約2440万円が不経済となっている。

 右は、航空自衛隊の各基地における航空機等の整備用として使用する目的のもので、万能研ま盤は円筒の内外面、平面および各種工具を、工具研ま盤はもっぱら各種工具を、また、平面研ま盤は平面だけを研ますることができるように製作されたものであるが、その購入は、米国空軍の野外整備隊機械工場の実情を参考とし、各基地の現有機械設備数を勘案して所要数を算出し、32年度の調達計画を決定して実施したものである。
 しかるに、航空自衛隊の各基地における航空機等の整備方針からみて研まを必要とする作業もきわめて少なく、また、旋盤、フライス盤等の工作機械の設び備状況からみても前記3種類の研ま盤を取りそろえて各基地に配置する必要はなく、しかも、前記3種類のうち、工具研ま盤は万能研ま盤によってその機能が果されるものであり、平面研ま盤は本件の万能研ま盤に付属していないマグネットチャックを取り付けるだけでその機能が果されるものであるから、工具研ま盤および平面研ま盤はともに購入の要がなかったものと思料される。
 いま、仮に万能研ま盤だけを価格約10万円のマグネットチャックを取り付けて購入したとすれば、約2440万円を節減することができた計算である。