ページトップ
  • 昭和32年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第2 総理府|
  • (防衛庁)|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 物件

使用目的に適しない規格のフライス盤を購入したため不経済となっているもの


(19) 使用目的に適しない規格のフライス盤を購入したため不経済となっているもの

(組織)防衛庁 (項)防衛庁

 防衛庁調達実施本部で、航空幕僚監部の要求により、昭和33年1月および2月、指名競争契約により株式会社新潟鉄工所代理大倉商事株式会社ほか1会社から万能フライス盤7台を単価3,245,000円価額22,715,000円および横フライス盤5台を単価3,497,000円価額17,485,000円総額40,200,000円で購入しているが、調達計画の作成にあたり使用目的に適しない規格を決定したため約1,660万円が不経済となっている。

 本件フライス盤は、いずれも航空自衛隊の各基地における野外整備隊機械工場等において航空機等の整備用として使用する7.5馬力のもので、米国空軍の器具、器材装備表(E・C・L)と、各基地の現有機械設備数を勘案して所要数を算出し調達したものであるが、右装備表によると野外整備隊機械工場の設備機械のうちには7.5馬力のような大型のフライス盤はなくいずれも2馬力以下の規格のものとなっており、また、航空自衛隊の各基地における航空機等の整備作業方針は主として部品の交換および簡単な修理をすることだけを定めているので、この程度の作業には2馬力程度の規格のものが適当であると認められ、現に、海上自衛隊においては航空基地における航空機等の整備作業用として2馬力のフライス盤を購入している実情である。工作機械の設置については作業の内容に応じてこれに適した規格のものを設置することが必要であるのに、本件のような作業内容に適しないフライス盤を購入したのは処置当を得ない。
 いま、仮に2馬力程度の規格品を購入したとすれば横フライス盤5台については単価2,295,000円価額11,475,000円、万能フライス盤7台については単価1,730,000円価額12,110,000円総額23,585,000円程度で足り、購入価額40,200,000円は約1660万円節減することができたこととなる。