ページトップ
  • 昭和32年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第2 総理府|
  • (防衛庁)|
  • (一般会計)|
  • 不当事項|
  • 物件

航空揮発油の予定価格の積算が過大なため購入価額が高価と認められるもの


(21) 航空揮発油の予定価格の積算が過大なため購入価額が高価と認められるもの

(組織)防衛庁 (項)防衛庁

 海上自衛隊横須賀地方総監部で、昭和32年度中に、指名競争契約または指名競争入札後の随意契約により横須賀米油株式会社ほか1会社から115航空揮発油444,778リットルを17,239,375円で購入しているが、予定価格の積算にあたり調査不十分のため約147万円が高価となっている。

 右は、海上自衛隊機が東京国際空港に着陸する際に給油する航空揮発油を空港貯油槽から自衛隊機待期地点まで約4キロメートルをレフューラーで運搬し機上渡しすることとして、スタンダード・ヴァキューム、シェル両石油会社の特約代理店である前記会社から購入したものであるが、予定価格の積算にあたり、リットル当り30円15から32円40とし、これに鶴見、羽田間の輸送費0円44、貯蔵料1円03、輸入税2円10、レフューラー使用料3円53を加算して37円25から39円50とし前記価格で契約したものである。しかしながら、本院の調査によれば、東京国際空港におけるスタンダード・ヴァキューム、シェル両石油会社の32年4月から33年3月までの本件揮発油の販売価格は、国際線機上渡しの場合米ガロン当り4月以降30.75セント(円貨換算額リットル当り29円25)、12月以降28.05セント(同26円65)となっている状況で、この価格を基準として積算するのが相当と認められる。
 いま、仮にこれにより改算すると、右価格は東京国際空港における販売価格であるから、鶴見、羽田間の輸送費を除いた貯蔵料、輸入税およびレフューラー使用料を加算すればリットル当り32年4月以降35円91、12月以降33円31総額15,765,293円となり、これに比べて本件購入価額は約147万円高価となる計算である。