災害復旧事業費の査定額を減額させたもの

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（３８５）　災害復旧事業費の査定額を減額させたもの

　地方公共団体、土地改良区、森林組合等が施行する農業施設、林道、漁港の災害復旧工事の査定を了したものに対する検査は、昭和２８年発生災害の分から毎年これを実施し、その結果については２８年度以降毎年度の検査報告に掲記したとおりであるが、本年においても３２年発生災害をおもな検査対象とし、なお、２８，２９，３０、３１年発生災害復旧工事の未着手地区で前年までに検査を行わなかったものについてもあわせて実施した。
　３２年発生災害については、査定済の復旧事業費が１億円をこえる長野ほか５県を選び、３３年２月から４月までの間に、農業施設１，９５１工事３，５２２，７８３，０００円、林道３５３工事１５４，６３５，０００円および漁港６４工事８５，１８４，０００円計２，３６８工事３，７６２，６０２，０００円について検査を実施した。

　その結果は、農林省において現地査定をさらに強化し、災害復旧事業の採択基準を明確にし査定の厳正をはかったことなどにより逐次改善されてはいるが、被害が激じんであった長崎ほか２県においてはなお同一箇所の工事を頭首工の付帯護岸または河川護岸として農林、建設両省で重複して査定しているものが相当数認められ、また、その他の事例としては、災害を受けていなかったり、被害が軽微であるのに災害復旧の査定を受けて新設もしくは改良工事を施行しようとしているもの、水路、護岸、井ぜき等の工事に使用する石材もしくはコンクリートの骨材を現場付近で採取することができるのに遠距離から運搬することとしているもの、または農地の排土、客土の土量もしくは運搬距離を過大に見込んでいるものなど現地の確認が不十分なため設計が実情にそわないと認められるものなどがあり、これらの査定工事費は現地の状況に応じて適正なものに修正する必要があると認められたので当局に注意したところ、３２年発生災害については農業施設で５８０工事１７０，８７２，０００円、林道で７２工事６，７６０，０００円、漁港で９工事１，３０９，０００円計６６１工事１７８，９４１，０００円国庫補助金相当額１３８，１９３，０００円を減額是正した旨の回答があった。

　また、２８，２９，３０、３１年発生災害については未着手となっていた地区５９２工事３０８，６６１，０００円のうち２５５工事１２２，６２１，０００円について検査したところ、その結果は、前述の３２年発生災害に対すると同様な事例が見受けられ、２８年発生災害において２８工事５，５３０，０００円、２９年発生災害において２８工事９，７０４，０００円、３０年発生災害において１１工事２，８８０，０００円、３１年発生災害において２１工事１，８７４，０００円計８８工事１９，９８８，０００円国庫補助金相当額１４，０６７，０００円に対しても前項同様減額是正の処置をとった。
　しかして、これらの是正されたものを県別に示すと左のとおりである。