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  • 昭和32年度|
  • 第2章 国の会計|
  • 第5節 各所管別の不当事項および是正事項|
  • 第6 農林省|
  • (食糧管理特別会計)|
  • 不当事項|
  • 物件

製粉工場付属倉庫を利用しなかったため外国小麦を低額に売り渡しているもの


(402) 製粉工場付属倉庫を利用しなかったため外国小麦を低額に売り渡しているもの

(項)食糧売払代

 群馬食糧事務所で、昭和32年度中、随意契約により日本製粉株式会社ほか2会社に外国小麦10,198トンを377,926,566円で売り渡しているが、右3会社の工場付属倉庫にはこれを収容する余力があるのに他の営業倉庫に保管のうえ売り渡したため、工場付属倉庫に保管して売り渡した場合に比べてトン当り200円総額約200万円が低額となっている。

 右は、食糧庁で、外国小麦の売渡にあたり、工場付属倉庫に保管のうえ当該会社に売り渡す場合は工場の引取経費が軽減されるため他の倉庫に保管した小麦を売り渡す場合の価格にトン当り200円を加算することとしているが、同食糧事務所では、前記小麦を神奈川食糧事務所から運送受入するに際し、前記3会社の高崎ほか3工場付属倉庫20むねのうち臨時指定倉庫9むねを除外した本指定倉庫11むねだけについて、その収容力を俵包装のもので計算して坪当り4.5トンから5.4トンとしたため、本件小麦を収容する余力がないものとしてこれを付近の他の営業倉庫に搬入のうえ売り渡したものである。
 しかし、本院が実地に調査したところ、右工場付属倉庫に収容される小麦はほとんど麻袋包装のものであるから、その収容力は麻袋包装のもので計算するのが妥当であり、これによると坪当り5.8トンから7.0トンとなり、また、臨時指定倉庫は、構造等の点からみても格別外国小麦の保管に支障があるとは認められないばかりでなく、現に、相当数量の外国小麦を常時保管している状況であるからこれを除外する理由はなかったものである。
 したがって、このような計算によれば、前記工場付属倉庫の収容余力は32年度中常時4,900トン以上あったものであり、かつ、本件小麦が22回に分割して搬入されたものであるから、そのほとんどの場合において本指定倉庫に容易に収容することができたものであり、また、本指定倉庫に収容することができない少量のものも臨時指定倉庫に収容すれば足りたものである。
 いま、仮に本件小麦を前記工場付属倉庫に搬入のうえ売り渡したとすればその売渡価額は379,966,079円となり、これに比べて本件売渡価額は約200万円低額となっている。