(組織)運輸本省 (項)港湾災害復旧事業費 ほか2科目
地方公共団体等が施行した港湾工事費に対する国庫負担金または国庫補助金(以下「国庫負担金」という。)は、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法(昭和26年法律第97号)等の根拠法規に基いて交付されるものであるが、本院において、昭和33年中、その経理および工事施行の状況について、全国の工事現場1,627箇所のうち北海道ほか30都府県についてその76.8%に相当する1,250箇所(事業費8,550,668,011円、国庫負担金4,570,318,980円)を実地に検査したところ、関係当局においても港湾工事の検査官制度の整備、中間検査の増加等の指導監督の強化および事業主体の自覚等により従来に比べて相当改善の跡が認められたが、なお、工事が不当と認められるものがあり、国庫負担金を除外すべきことの判明したものが宮城県ほか5都県(注)
において除外すべき額1工事10万円以上のもので9工事1,672,742円ある。
しかして、右不当工事としては、従来の検査報告において指摘したと同様、港湾工事におけるしゅんせつ土量または被覆石およびそのならしが設計に比べて不足しているなど設計に対し工事の出来高が不足しているものが見受けられた。
これら不当事項のうち国庫負担金を除外すべき額1工事20万円以上のものをあげると左のとおり4件989,193円である。
(注) 宮城県、東京都、新潟、愛媛、大分、鹿児島各県
県名 | 工事 | 事業主体 | 工事費 | 同上に対する国庫負担(補助)金 | 同上のうち32年度までの交付済額 | 国庫負担(補助)工事費から除外すべき額 | 同上に対する国庫負担(補助)金相当額 | |
(421) |
宮城県 |
塩釜港特別失業対策 |
宮城県 |
円 5,375,000 |
円 3,225,000 |
円 3,225,000 |
円 412,000 |
円 247,200 |
塩釜港道路延長650メートルの改良にあたり、練石積918平米は胴込コンクリート平米当り0.3立米総量275立米および盛土4,074立米を施行したこととしているが、実際は胴込コンクリート平米当り0.2立米総量183立米および盛土3,870立米を施行したにすぎず、工事費412,000円相当額が出来高不足となっている。 |
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(422) | 大分〃 | 大分市大分港28年災害復旧 | 大分県 | 1,145,000 | 1,090,040 | 1,090,040 | 241,000 | 229,432 |
港内泊地1,861平米にたい積した土砂3,350立米をしゅんせつしたこととしているが、実際は2,644立米を施行したにすぎず、工事費241,000円相当額が出来高不足となっている。 |
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(423) | 鹿児島〃 | 肝属郡佐多町浜尻港26年災害復旧 | 佐多町 | 3,489,000 | 3,325,017 | 3,325,017 | 305,000 | 290,665 |
防波堤延長11メートルの復旧にあたり、被覆石804立米および同ならし810平米を施行したこととしているが、実際は被覆石724立米および同ならし648平米を施行したにすぎず、工事費305,000円相当額が出来高不足となっている。 |
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(424) | 同 | 薩摩郡下甑村青瀬港31年災害復旧 | 下甑村 | 2,507,510 | 2,318,594 | 2,318,594 | 240,000 | 221,896 |
防波堤延長82メートルの復旧にあたり、被覆石547立米および同ならし480平米を施行したこととしているが、実際は被覆石475立米および同ならし288平米を施行したにすぎず、工事費240,000円相当額が出来高不足となっている。 |
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計 | 5,996,510 | 5,643,611 | 5,643,611 | 545,000 | 512,561 | |||
合計 | 12,516,510 | 9,958,651 | 9,958,651 | 1,198,000 | 989,193 |