(項)保険金
失業保険事業における保険給付の適正を欠いた事例については、昭和29年度以降の検査報告に掲記してその適正をはかるよう注意してきたところであるが、33年においても、約50万人に達している一般失業保険の保険金受給者に対する給付の状況につき、全国674箇所の公共職業安定所等のうち比較的失業保険金受給者の多い札幌公共職業安定所ほか127箇所で、再就職した者26,721人についてその適否を実地に調査したところ、公共職業安定所等において、事業所から提出される被保険者資格取得届を活用するなどの方法により、再就職したのにその届出を怠った者に対し失業保険金を支給することがないようその防止の万全に努めてはいるが、なおその調査が十分でないため33年7月までの間に給付された保険給付のうち適正を欠いているものが札幌公共職業安定所ほか100箇所において617人9,492,735円ある。
右保険給付の適正を欠いたものを都道府県ごとに集計すると左のとおりである。
都道府県名 |
公共職業安定所 |
受給者調査人員 |
保険給付の適正を欠いたもの |
|
人員 | 金額 | |||
北海道 |
札幌ほか8箇所 |
人 1,123 |
人 28 |
円 321,905 |
埼玉県 | 浦和ほか7箇所 | 1,001 | 28 | 353,255 |
東京都 | 飯田橋ほか15箇所 | 12,007 | 128 | 1,902,355 |
神奈川県 | 横浜ほか10箇所 | 2,393 | 76 | 1,489,780 |
愛知〃 | 名古屋中ほか11箇所 | 517 | 32 | 185,240 |
京都府 | 京都西陣ほか3箇所 | 210 | 14 | 203,820 |
大阪〃 | 大阪城東ほか15箇所 | 4,806 | 201 | 3,773,180 |
兵庫県 | 神戸ほか9箇所 | 2,224 | 52 | 560,640 |
福岡〃 | 福岡ほか14箇所 | 815 | 58 | 702,560 |
計 |
25,096 | 617 | 9,492,735 |